英文契約書によくあるコミッションなどを巡るトラブルとその解決法

 

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 日本の晦BC製造は,スペイン人Xと知り合い,自社製品のことを話したところ,スペインでかなり売れると思うから,販売先候補を紹介させて欲しいと打診されました。

 

 

 晦BCは,かねてから海外での販路開拓を考えていたため,願ってもないチャンスと捉え,Xに営業をお願いしました。

 

 

 その際,晦BCは,Xは友人の紹介だったこと,Xは普段はスペインのIT企業に務めるエンジニアであり販売先の紹介は特に事業とは関係ないことから,善意で紹介を受けられる,または,常識的な紹介料を後で払えば良いと考えていました。

 

 

 その後,Xは,現地で活動し,2社の販売先を見つけ,これを晦BCに紹介しました。晦BCは,無事にこれら2社に自社製品を販売することができました。

 

 

 晦BCは,Xに御礼を言うと,Xはコミッションの支払いを要求して来ました。

 

 

 晦BCは,検討しましたが,最終的に販売価格の5%を支払うことを決め,Xにその旨を伝えました。

 

 

 ところが,Xはそれでは少なすぎると主張し,売却が成功した製品の販売価格の15%のコミッションを要求してきました。

 

 

 晦BCは,金額が想定よりもかなり高額だったので驚きましたが,あまり揉めるのも困ると考え,結局言い値通りに支払うことにし,支払いをしました。

 

 

 その後しばらくして,またXから連絡があり,結果的には取引は成立させられなかったが,これだけ営業をしたのだという自己が営業した活動報告書を送付し,日割りの活動実費の支払いも求めて来ました。



 晦BCは,さすがにそれは払えないと抵抗しましたが,英語での交渉にも不慣れで,Xからしつこく要求されたため最終的には支払ってしまったそうです。

 

 

本事例の解決法

 

 本件のような場合,ベストな方法としては,最初に売り先の紹介を依頼する際に,コミッションの支払い条件や実費の精算方法などについて合意して簡単なものでも良いので契約書を作っておくべきでした。



 上記のように顧客を紹介してもらい,売上が上がった場合にコミッションを支払うという契約形態はいわゆる代理店契約(Agency Agreement)になります。



 しかしながら,本件では紹介の継続性を前提としていないので,代理店契約まで用意する必要性はなかったと思います。



 最低限,1度限りの紹介を前提にした金銭の支払い条件を取り決めた覚書のようなものを作っておいたほうが良かった事案でしょう。



 それができなくとも,その後,遅くともコミッションの支払いを要求された時点できちんと交渉し,支払い内容や和解の内容が確定したら,書面により合意すべきであったと言えます。



 今後も依頼するのか,そうではなく今回のコミッションの支払いで終わりにするのか,当事者の考えていることを交渉のテーブルに乗せるべきでした。



 そして,もし合意ができたら,合意した内容をきちんと書面にして後で蒸し返しができないようにすることが重要です。

 

 

 1回のコミッションの支払いですべて終わりにすると決まったとした場合の具体的な書面の内容としては,@書面に記載された内容で当事者は確定的に本件を解決する(settle)するということと,Aその書面に書かれた債権債務の他は,一切債権債務が存在しない(いわゆる精算条項)ことを記載することが重要です。

 

 

 そうすることにより,合意により解決してから後に,追加の請求を受けることを防ぐことができます。



 本件では,Xがコミッションの支払いを求めた際に,晦BCの社長が押しに弱く,結局はXの言い値のコミッションを支払ったことから,Xが味をしめて後から実費の請求もしてきたものと考えられます。



 このようなことを防ぐためには,自社の考えをきちんと伝え,合意した内容を書面化し,「後出しジャンケン」をさせないようにする必要があったと言えるのです。

 


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