英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際によく見られる一般条項(General Provisions/Miscellaneous)の一つにNo Third Party Beneficiary(第三者への利益の無供与)条項があります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「本契約は契約当事者間の権利義務を規定したものであり,第三者に対して如何なる権利や利益も付与することを意図したものではない。」などと規定されます。
英文契約書にこのような条項が挿入される事情は概ね以下のとおりです。
契約の拘束力は,あくまで契約書に署名した当事者にのみ及ぶというのがコモンローでも日本法でも大原則(Privity of Contract)です。
こちらでPrivity of Contractの原則の詳しい解説がご覧頂けます。
ただし,この原則には例外があり,例えば,契約書に,契約当事者以外の第三者の利益のために一方当事者が何らかの義務を履行すると定めたとします。
そうすると,一定の要件の下,この利益を受ける第三者が,義務履行を約束した契約当事者に対して直接その義務の履行を請求できるという効果が生じる場合があるのです。
日本では「第三者のためにする契約」,「受益の意思表示」などと議論される場面です。
英国法でもContracts (Rights of Third Parties) Act 1999がこのような場面を規律しています。
そのため,英文契約書上,あくまで契約当事者間の権利義務を規定したもので,第三者に何らかの権利や利益を付与したものではないことを明確にするためには,このような条項を挿入しておいた方が無難ということになります。
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