Merchantability(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際に登場する英文契約書用語,にMerchantabilityがあります。
これは,元は英国法の概念で,「商品適格性」などと訳しています。このMerchantabilityについては,アメリカのUniform Commercial Code(UCC)にも規定があります。
重要なのは訳ではなくて,実質的な意味ですが,要するに,その製品が通常の用途に適合しており,通常備えているべき品質・性能を備えていることというような意味です。
英国法やUCCでは,この点について売主が保証をしないのであれば,その点を英文契約書などに明記しなければ,黙示的にこれを保証したとみなすという考えがあります。これをImplied Warrantyなどと呼びます。
そのため,売主がこの保証を免れるために,よく英文契約書には,Merchantabilityを保証しない旨の条項が挿入されるのです。
なお,この種の条項が大文字になっていることも多いのは,こうした一方に不利益(この場合は買主)な条項は,目立つように規定しないと無効になるという場合があるためです。
他にも同じ理由で,英文契約書上,保証しないと明記されることが多いのは,Fitness for a particular purposeです。
「特定目的適合性」などと訳されますが,これは,製品売買であれば,買主がある目的でその製品を使用したいがためにて購入したとして,その目的に使用できるか(適合するか)どうかについては,売主は保証しないという趣旨です。
この点もよく免責する旨の条項が挿入されています。