Any and all(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際に登場する英文契約書用語に,Any and allがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「あらゆる/すべての」という意味で使用されます。

 

 Any and allとありますが,実際には,any単独,all単独で使用しても,意味は変わりません。

 

 Any and allのように,同じ意味を表す単語を両方使用することは,英文契約書ではよくあります

 Each and everyもその一例といえるでしょう。どちらか一方だけを使用しても,同じ意味を表すことができますが,each and everyと重ねて使用することがあるのです。

 

 Anyもallもすべてのあらゆるものを含むという意味で使用するのですが,おそらく,そのすべてを含むのだという点を念のため強調したいという思いから,同種の意味をもつ単語を同時に使うということなのだと思います。

 

 ただ,どちらか一方だけを使用しても,意味は同じですので,問題ありません。

 

 むしろ,anyやallを使用して,すべての項目を含むということを表したいのであれば,これらの用語を両方使うというより,これらの単語の後の表現に注意したほうが良いでしょう。

 

 例えば,including but not limited to...,including without limitation,whatsoever,and the likeなどが挙げられます。

 

 これらの表現を使用すると,挙げられたものがすべてではなく他にも含まれるものがあるということを示すことができます。

 

 こうした表現をうまく使うことで,英文契約書で挙げられている具体例が,それらはあくまで例であって,その他のものも含むのか,それとも,その挙げられている例だけに限定する意図なのかということを明確にすることができます。

 

 前者のあくまで例示であって限定する趣旨ではないという意図の場合,「例示列挙」と呼び,後者の限定する意図の場合,「限定列挙」と呼びます。

 

 ちなみに,後者の「限定列挙」であることを表す表現としては,exhaustivelyexhaustiveという用語があります。

 

 これらの用語を使用すると,挙げられている例だけでそれ以外は含まないという意図を表すことができます。

 

 英国法には,ejusdem generis ruleと呼ばれる原則があり,英文契約書に例が挙げられている場合,その挙げられた例と共通項があるもののみが含まれるとされています。

 

 そのため,英国法で考えると,何も断りを入れないと,any and allという用語を使用したとしても,あくまで例示されたものを類似性があるものだけが含まれると解釈される可能性があります。

 

 そうではなく,本当に広く,あらゆるものを含まれるようにしたいのであれば,including but not limited to...,including without limitation...に加えて,whatsoeverという用語を併せて使用することもあります。

 

 例を挙げる場合,その例に限定するかどうかを明確にしておかないと,後で思わぬトラブルを招く可能性が高まります。

 

 Any and allという表現を使用すれば,あらゆるものが含まれると単純に考えては行けない場合もありますので,注意したほうが良いでしょう。

 

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