Allotment(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Allotmentがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「割当て」という意味で使用されます。
株式やストックオプションの割当てについて契約書に記載するときにこのallotmentという用語が使われることがあります。
海外進出の際に,合弁契約(Joint Venture Agreement)により現地に合弁会社を設立することがあります。
こうした場合,最初に誰がいくら出資して,合弁会社の設立後に増資などが行われた場合,どのように新株式が割り当てられるのかなどを取り決めることになります。
この株式割当ての場面などで,allotmentという英文契約書用語が登場します。
当然ですが,株式などの割当ては,対象外者のコントロール権に重大な影響を与えるものですから,非常に重要な内容です。
増資により新たに株式が第三者に割り当てられて増加してしまうと,もともと既存株主が持っていた株式割合による議決権が薄まってしまいます。
議決権割合が減ってしまうと,当然現地の合弁会社へのコントロール力が弱まってしまうことになります。
そのため,allotmentという用語が出てきて,株式の割当てについて言及されている場合は,その内容を精査し,納得できる内容に修正していく必要があるでしょう。
基本的には増資されたとしても自社が持っている議決権割合が希釈化されないような対策が施されているかをチェックするようにしましょう。