Reparation(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Reparationがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「補償/回復」という意味で使用されます。
当事者が契約違反をした場合に,一定の行為をすることを義務付けることがあります。
例えば,売買契約で,売主が商品を納期までに引き渡すことができず,納期遅延が起きそうになったとします。
この場合に備えて,契約書には「売主が納期に商品を納品できないと客観的に判断される状況に陥った場合には,直ちに売主は買主にその旨を通知し,新たな納期について協議の上合意しなければならない」などと対策が書かれていたとします。
こうした場合に,売主が上記に定められたとおりに行動すれば,納期遅延によって買主に生じた損害の賠償をしなくても良いと解釈されないように,念のため,「売主が上記行為を行ったとしても,買主が被った損害について別途売主に補償を求めることは妨げない」などと契約書に記載することがあります。
このような買主が求められる補償を表現してreparationという用語が使われることがあります。
類義語としては,damages(損害賠償)やindemnification/indemnity(補償)などが挙げられます。
当然ですが,reparation(補償)は金銭に関することですので,利害関係の強い用語の一つです。
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際に,この用語を見たら,前後の内容を精査する必要があるでしょう。