Approach(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Approachがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「申し入れをする/交渉を開始する」という意味で使用されます。
例えば,優先交渉権などを定めるときにこのapproachが契約で登場することがあります。
当事者の一方が何らかのオファーをしたいと考えたときに,第三者にそのオファーをする前に,自社に最初にオファーをしてもらい交渉をしたいと考える場合に,優先交渉権を契約書に定めることがあります。
投資契約(Investment Agreement),株主間契約(Shareholder Agreement),合弁契約(Jointventure Agreement)などでよく見られる条項の1つです。
この場合に,まず最初にその当事者に接触して交渉するという意味合いでapproachが登場することがあります。
ある者がある者に対して何らかの申し入れをしたり,交渉を開始したりする場面は重要ですので,approachという用語が出てきた場合,何についての交渉開始なのか,内容の詳細をチェックする必要があるでしょう。
また,優先交渉権が定められている場合に,上記の投資契約,株主間契約,合弁契約などでは合理的な場合が多いと思いますが,その他の契約書で優先交渉権が定められている場合,内容が不合理なこともよくあります。
相手に優先交渉権が付与されるという内容の場合,自社にとって大きな制約になる可能性があるので,内容が合理的で受け入れ可能なものであるかは,入念にチェックするようにしましょう。