英文契約書の相談・質問集365 通知には電子メール(email)を含めるべきですか。

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英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「通知には電子メール(email)を含めるべきですか。」というものがあります。

英文契約書の一般条項(General Provisions)の中に,通知(Notices)条項があります。

これは,その契約に関して当事者が相手方に何らかの通知(例えば契約解除の通知など)をする際に,どこの誰に向けてどういう方法で通知を送るか,そして,どういう要件を充たすとその通知が相手に到達したとみなすかなどについて記載した条項です。

例えば,相手方の会社の法務部の部長◯◯氏宛に書留郵便(registered airmail/certified airmail)で通知書を送り,発送してから◯◯日後に到達したとみなすなどと規定されます。

こうした通知(Notices)規定の通知の方法として,電子メール(email)による送信を含めるべきかどうかというのがここでのテーマです。

電子メールは便利で,国際取引においては頻繁に使われているツールです。

ただ,本当に相手方において受信されたかどうかがわからなかったり,送受信の記録や通知内容を偽造されたりする危険性などを考えると,従来型の紙ベースの書留郵便による通知よりも安全性が低いと言えるでしょう。

そのため,電子メールでの通知を認めるかどうかは,ケースバイケースだと言わざるをえません。

一概に言えませんが,あえて例を挙げるとすると,大きな会社で,部署もたくさんあるような企業であれば,契約書で必要とされる通知書については電子メールを含めないほうが無難かと思います。

この場合は,やはりどこの部署の誰かまで指定した上で書留郵便による通知を要求したほうが安全だと思います。

大企業では,本当に会社の意思決定が通知され,受領されたかということが問題になりやすく,きちんと証明できる手段による通知しか認めないと最初から限定しておくメリットがあるためです。

これに対し,中小企業などで経営者が相手方と実質的にやり取りをしているような場合は,電子メールを含めても問題ないケースが多いと思います。

日頃からメールでやり取りをしているでしょうし,通知文書の内容の偽造については,スキャンデータとともに写真でも残すなど,防止する方法があります。

このような場合は,リスクよりも利便性を優先して電子メールによる通知を認めても良いかと思います。

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執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

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