プレビュー:英文 LOI / MOU(覚書・意向表明書)

英文 LOI・MOU(覚書・意向表明書)の作成・リーガルチェック・翻訳

Letter of Intent(LOI・意向表明書)および Memorandum of Understanding(MOU・覚書)は,正式契約(Definitive Agreement)を締結する前の交渉段階で取り交わされる書面です。交渉の方向性・スケジュール・条件の骨子を確認する役割を果たします。「タイトルが LOI/MOU だから法的拘束力がない」は誤解です。内容によっては拘束力を持つ場合があり,秘密保持義務・独占交渉権など一部条項に意図的に拘束力を持たせることも一般的です。拘束力の有無を明確に定めないと,交渉破断後に重大な紛争に発展するリスクがあります。

こんな企業・方からのご相談をお受けしています

取引先から MOU / LOI が届いた

相手方から届いた覚書・意向表明書について,法的拘束力の範囲・どの条項がバインディングか・自社にとってのリスクを確認・修正したい。

M&A・業務提携交渉でLOI/MOUを作成したい

M&A・合弁・業務提携の初期交渉でLOIまたはMOUを作成したい。秘密保持義務・独占交渉権(Exclusivity)・スケジュールを適切に盛り込みたい。

交渉が破断し損害賠償を請求された

LOI/MOUに署名後,交渉がまとまらず正式契約を締結しなかったところ,相手方からLOI違反・信義則違反を理由に損害賠償を請求されている。

拘束力の有無を明確にしたい

締結予定のLOI/MOUについて,全条項を非拘束とするのか,秘密保持・独占交渉権など一部条項のみ拘束力を持たせるのか,意図に合った条項設計をしたい。

契約締結時に弁護士がチェックする主要条項

LOI/MOU は「拘束力がないから簡単でよい」という認識は危険です。以下の条項は特に慎重な設計が必要です。

① LOI / MOU の目的と位置づけ

LOI(Letter of Intent)は発行者が相手方の確認(Acknowledgment)のサインを求めるレター形式,MOU(Memorandum of Understanding)は全当事者がサインする合意書形式をとることが多いです。いずれも正式契約(Definitive Agreement)締結前の交渉段階で,交渉条件の骨子・スケジュール・基本合意事項を確認するために作成します。内容・形式によっては法的拘束力が認められる場合があります。

② ⚠ 法的拘束力の範囲(Binding / Non-Binding)

LOI/MOU の法的拘束力については,①全条項が拘束力を持つ,②一部条項のみ拘束力を持つ,③全条項が拘束力を持たない,の3パターンがあります。タイトルが「LOI/MOU」であっても自動的に非拘束とはなりません。拘束力の有無は実質的な内容によって判断されます。明確に定めていない場合,最終的には裁判所が判断することになるため,契約書で明示することが必須です。

③ ⚠ 一部条項への拘束力付与(Carve-out Provision)

実務上は「全体は非拘束だが,一部の条項(秘密保持・独占交渉権・準拠法・誠実交渉義務等)のみ拘束力を持たせる」という設計が多く用いられます。例えば「With the exception of paragraphs [XX], this LOI/MOU shall not be legally binding.」という条項で,拘束力を持つ条項を明示することができます。どの条項に拘束力を持たせるかの選択が実務上の最重要事項です。

④ ⚠ 秘密保持義務(Confidentiality)

交渉過程で開示される機密情報(財務情報・技術情報・顧客情報等)の取り扱いを定めます。LOI/MOU の本体が非拘束であっても,秘密保持条項だけは拘束力を持たせることが一般的です。秘密保持義務の対象・範囲・期間・義務違反時の損害賠償の定めを明確にしないと,交渉中に開示した機密情報が第三者に流出するリスクがあります。別途 NDA(秘密保持契約書)を締結することも有効です。

⑤ ⚠ 独占交渉権(Exclusivity / No-Shop Clause)

LOI/MOU の締結後,一定期間は他の相手方と交渉・契約することを禁止する条項です。M&Aや重要な業務提携交渉では,独占交渉権(Exclusivity Period)を拘束力のある条項として定めることが一般的です。独占交渉期間・対象となる行為(他社への情報提供・交渉・契約締結等)の範囲を明確に定めないと,独占交渉権の実効性がありません。No-Shop Clause(販売禁止条項)との違いにも注意が必要です。

⑥ 誠実交渉義務(Good Faith Negotiations)

英米法(コモンロー)では,大陸法・日本法と異なり,原則として契約交渉中に誠実(Good Faith)に交渉する義務はありません。したがって,当事者に誠実交渉義務を課すのであれば,LOI/MOUにその旨の条項を明示し,かつ法的拘束力を持たせる必要があります。日本法が準拠法の場合は「契約準備段階の過失(契約締結上の過失)」の問題として信義則上の義務が認められる余地があります。

⑦ 有効期間・失効条件(Term & Expiration)

LOI/MOU の有効期間(正式契約締結に向けた交渉期間)を明確に定めます。期間の定めがないと,いつ交渉が終了したのかが不明確になり紛争の原因になります。また,一定期間内に正式契約が成立しなかった場合の取り扱い(自動失効 / 延長 / 再交渉)もあらかじめ定めておくことが重要です。

⑧ 準拠法・紛争解決(Governing Law & Dispute Resolution)

拘束力を持たせる条項(秘密保持・独占交渉権等)については,どの国の法律を準拠法とするか,紛争が生じた場合にどこ(裁判所・仲裁機関)で解決するかを定めます。LOI/MOU 全体が非拘束であっても,準拠法条項を設けておくことで,拘束力のある条項の解釈・執行に関する紛争が生じた場合の法的安定性が確保されます。

⚠ 「LOI/MOUだから拘束力がない」という誤解が招くリスク

 

LOI/MOU に法的拘束力がないとされるのはあくまでも原則であり,内容・形式・当事者の意思次第で拘束力が認められる場合があります。特に以下のケースで紛争が生じやすいです。

 

・LOI/MOU に拘束力の有無を明確に定めていなかった場合
・「LOI/MOU の内容で合意していた」として相手方が損害賠償を請求してきた場合
・秘密保持義務の規定がなく,交渉中に開示した機密情報が流出した場合
・独占交渉権を定めていなかったため,相手方が並行して他社と交渉を進めていた場合
・日本法が準拠法で「契約締結上の過失」(信義則違反)を理由に損害賠償を求められた場合

LOI・MOU で弁護士が必要な理由

拘束力の有無はタイトルでは決まらない

「LOI/MOUというタイトルがついているから安心」は誤りです。実質的な内容・表現によって拘束力が認められるリスクがあります。意図する法的効果を正確に反映した条項設計には弁護士の法的知識が必要です。

秘密保持・独占交渉権の実効性ある設計

秘密保持義務・独占交渉権は,範囲・期間・違反時の制裁を適切に設計しないと「あってなきがごとし」の条項になります。相手方に有利な内容で届いた LOI/MOU への対応にも弁護士のサポートが不可欠です。

交渉破断後の損害賠償リスクへの備え

LOI/MOUに署名後,正式契約に至らなかった場合,相手方から「契約締結上の過失」・「LOI条項の違反」を理由に損害賠償を請求されるリスクがあります。事前の適切な条項設計が最大の防衛策です。

本契約(Definitive Agreement)への橋渡し

LOI/MOU で合意した基本条件が本契約に適切に反映されているか,LOI/MOU の段階で本契約に向けた論点を整理できているかの確認も重要です。後のトラブルを防ぐため,LOI/MOU の段階から弁護士が関与することをお勧めします。

よくある質問(FAQ)

Q. LOI と MOU の違いは何ですか?

A. 実質的には同種の文書ですが,形式が異なります。LOI(Letter of Intent)は,発行する当事者が相手方に確認のサイン(Acknowledgment)を求める「レター形式」が多く,MOU(Memorandum of Understanding)は全当事者がサインする「合意書形式」をとることが多いです。ただし,名称に関わらず法的拘束力の有無はあくまでも内容・実質で判断されます。

Q. LOI/MOU には必ず法的拘束力がないのですか?

A. いいえ,そうとは限りません。法的拘束力の有無は,タイトルではなく実質的な内容と当事者の意思によって判断されます。①全条項に拘束力がある,②一部の条項のみ拘束力がある,③全条項に拘束力がない,という3パターンがあります。拘束力の有無を明確に記載していない場合,紛争になったときに裁判所が実質的な内容から判断することになります。意図に合わせた明確な条項を設けることが重要です。

Q. LOI/MOU に署名後,交渉が破断しました。相手方から損害賠償を請求される可能性はありますか?

A. あります。LOI/MOU が非拘束であっても,日本法が準拠法の場合,「契約締結上の過失」(信義則上の義務違反)として損害賠償が認められた判例があります。英米法では原則として誠実交渉義務はありませんが,LOI/MOU に Good Faith 条項を設けて拘束力を持たせていた場合には,違反を理由とした損害賠償請求が起こりえます。LOI/MOU の条項設計と交渉の進め方については,弁護士に相談されることをお勧めします。

Q. M&A のLOIに独占交渉権を設けたいのですが,どのように規定すればよいですか?

A. 独占交渉期間(通常30〜90日が多い),禁止される行為の範囲(他社への情報提供・交渉・契約締結等),違反した場合の取り扱いを明確に定めます。独占交渉権条項は,LOI/MOU 全体が非拘束であっても「拘束力を持つ条項(Carve-out)」として明示することが一般的です。また,デューデリジェンスのための情報開示と独占交渉権をセットで設計することも重要です。

Q. LOI/MOU に必ず入れるべき条項はありますか?

A. 取引の性質によって異なりますが,実務上よく規定される条項として,①法的拘束力の有無に関する条項,②秘密保持義務(Confidentiality),③独占交渉権(Exclusivity / No-Shop),④有効期間・失効条件,⑤費用負担(交渉が破断した場合のデューデリジェンス費用等),⑥準拠法・紛争解決,が挙げられます。このうち①②④⑥は,拘束力の有無にかかわらず,LOI/MOU に明示することが強く推奨されます。

Q. 英文 LOI・MOU の作成・リーガルチェックの費用と納期はどのくらいですか?

A. 文書の内容・ページ数・作業内容(新規作成・チェック・翻訳)によって異なります。見積り依頼から当日または翌営業日中に回答します。正式ご依頼まで料金は発生しません。文書をご添付の上お問い合わせいただければ,内容を確認した上で正確な見積もりをお伝えします。

【注意事項】本ページの内容は一般的な解説を目的としており,個別の案件に対する法的アドバイスではありません。LOI/MOU の法的拘束力の有無・各条項の解釈は,準拠法・当事者の意思・文書の内容によって異なります。実際の文書の作成・審査にあたっては弁護士にご相談ください。

弁護士 菊地正登

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