英文契約書の守秘義務契約書/NDA違反をめぐるトラブルとその解決法

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 日本の㈱ABC販売は,医療機器メーカーで日本国内向けに医療機器を販売していました。

 

 ある日,ヨーロッパのある国の㈱XYZ製造から問い合わせがありました。「ABC販売の医療機器の販売を自国で展開したい。」というものでした。

 

 サンプルを送り,検討してもらうと,㈱XYZ製造の社長の反応は上々でした。ただ,ローカルな法律により一点改良すべき部分があり,その点について共同開発をして改良品を販売したいということになりました。

 

 ㈱ABC販売も新たな可能性に期待を膨らませ,具体的な交渉をしたいと申し出ました。

 

 ㈱XYZ製造は,快諾し,「それでは,交渉前にNDAを交わしましょう。」と言ってきました。

 

 具体的な交渉に入る前に守秘義務契約(Non-Disclosure Agreement/Confidentiality Agreement)を交わすのは,日本の実務でも珍しくないため,㈱ABC販売はこれに応じました。

 

 NDAはよく目にするため,簡単に翻訳してそのままサインして送り返しました

 

 その後,㈱XYZ製造からは,いくつかのEmailが㈱ABC販売のもとに送られてきました。

 

 添付ファイルでいろいろと契約締結に向けて関係のありそうな資料が付けられていました。

 

 ㈱ABC販売は,これらの資料を検討し,社内で契約の可能性などについて検討しました。

 

 すると,ある日,突然,「㈱ABC販売は,NDAに違反している。したがって,損害賠償金としてXX$支払え。」という不穏なEmailが㈱XYZ製造から届きました。

 

 よくNDAを見直してみると,機密情報の範囲,管理・利用方法が事細かに書かれてあり,確かに㈱ABC販売の利用法はNDAの規定内容に形式的には違反していました。

 

 もっとも,㈱ABC販売の秘密情報の利用方法は,一般的なNDAであれば許されている方法でした。

 

 また,NDAには,損害賠償の予定条項(Liquidated Damages)があり,契約違反の場合の損害賠償額も書かれていました。当然,損害賠償の予定額は高額なものでした。

 

 ㈱ABC販売は,NDAの内容を検討している際に,自社がNDA違反などするはずがないと判断していたのと,㈱XYZ製造から「全社そうしてもらっている。形式的なものだ。」と説明を受け,サインしてしまったのです。

 

 ここから,㈱ABC販売が,タフな交渉を㈱XYZ製造との間で行うことを余儀なくされ,和解のために相当額の支払いをすることになったことは想像するに難しくありません。

 

本事例の解決法

 本事例では,言うまでもなく,事前にNDAの内容を精査し,また,㈱XYZ製造の企業情報を可能な限り事前に調査する必要がありました。

 

 具体的な取引交渉に入ればお互いの機密情報をやり取りすることになりますから,その前にNDAを締結することは確かにあります。

 

 他にもMOU(Memorandum of Understanding)LOI(Letter of Intent)などを交わし,守秘義務が課されることもあります。

 

 NDAの内容はどれも同じような内容が多いので内容を精査せずに安易にサインしてしまいがちです。

 

 しかしながら,NDAを交わすのであれば,機密情報の定義,禁止事項の内容,例外規定の内容,損害賠償についての条項の内容などを精査しなければなりません。

 

 本事例のような明確な詐欺的案件はそう多くはないとは思いますが,中には現実的に遵守するのが難しい内容が含まれているにもかかわらず,「NDAは定型的だから」と考え,安易にサインしている企業をよく見ます。

 

 契約書を見せて頂くと,事業上必要な場合でも顧客や下請業者に対してさえ,開示するのに事前の書面承諾が必要と解釈される内容になっていたり,開示された情報が相当後から相手方の一方的な通知で機密情報とされ得たり,などと問題があることも多いです。

 

 NDAであっても,遵守が難しい内容が含まれていないか,簡単に違反になってしまうような内容がないか,違反した場合のペナルティが法外なものではないかなど,しっかりと内容を検討することは当然必要です。 

 

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