Faulty(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Faultyがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「欠陥のある/不完全な」という意味で使用されます。
Faulty productで「欠陥製品」という意味になります。
商品の欠陥を表す用語はほかにもあります。例えば,defectやdeficiencyなどもfaultyと同じく名詞ですが「欠陥」という意味を持っています。
売買契約(Sales Agreement)や販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)において,faultyやdefect,deficiencyなど欠陥を表す表現が登場した場合,その対策について書かれていることが多いです。
英文契約書では,保証(warranty)条項や検収・検査(inspection)条項において,欠陥商品に対する対策が書かれていることが多いです。
検収・検査(inspection)条項においては,一般的に外から見て容易に発見できる欠陥について規定されています。
このような欠陥を,外から見える欠陥ということで,visible faultyと言ったりもします。
これに対し,保証(warranty)条項においては,一般的に外から見て容易に発見できず,商品を使用してみたりしてはじめて発見できる欠陥について規定しています。
こちらは,外から見えない欠陥なので,invisible faultyと呼ぶこともあります。
また,faultyに関する規定には,欠陥についてのクレームを買主がどういう条件で言えるのかという要件が書かれていたり,クレームを出せる期間が書かれていたりします。
当然ですが,商品に欠陥があった場合の効果については,サプライヤーにとってはどのように対処する義務があるのかという点で重要ですし,買主にとってはどのような救済(remedy)が受けられるかという点で重要です。
このように,faultyという用語が登場した場合,当事者双方にとって重要な内容が含まれている可能性が高いので,英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際には注意しておくべき用語といえます。