英文契約書の相談・質問集357 100%効力が認められるように契約書を作成すべきですよね。
英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「100%効力が認められるように契約書を作成すべきですよね。」というものがあります。
確かに,理想としては,契約書を作成する以上,そこに書かれた内容がそのとおりに100%法的に効力を有する状態を目指すべきでしょう。
しかしながら,特に海外取引では,現実には,契約書に記載された内容が100%そのまま効力を有すると考えるのは非常に危険です。
例えば,当該英文契約書の準拠法が日本法とされ,日本の裁判所で紛争解決をするとなっている場合,その契約書が日本の法律と判例に従って作成されていれば,理論上はほぼ100%記載された内容がそのまま効力を持つと考えられるでしょう。
ただ,これは,あくまで日本の法律が適用され,日本の裁判所が有事には判断するという前提での話です。
海外取引では,常に相手国の法律が適用されたり,相手国の裁判所が管轄権を認め判断する可能性があるということを認識しなければなりません。
たとえ,英文契約書に準拠法を日本法とし,専属的合意管轄裁判所を東京地裁とすると書いていたとしてもです。
これは,強行法規/強行規定と呼ばれる法律で,現地法が強制的に適用されてしまう場面があったり,域外適用といって外国の法律が日本の法人に適用されてしまう場面があったり,相手国の裁判所が契約書の合意管轄や準拠法の適用を排除する判断をしてしまう場面があったりするからです。
つまり,特に国際取引の契約書は,いくら自社に有利な内容を記載して締結できたとしても,その内容がそのまま有効になるとは限らないということになります。
では,どうすれば良いのでしょうか。
内容を修正することも考えられますが,修正したところで,適用可能性のある条約,法律,規則,判例などをすべて調べて,どちらの国の側に立っても,英文契約書に記載された内容が100%そのまま実現するなどという内容を作成するのは奇跡に近いでしょう。
新判例の出現や法改正の可能性まで考慮すれば,ほとんど不可能に近いでしょう。
したがって,乱暴に聞こえるかもしれませんが,契約書の内容が100%そのまま効力を持つという前提は捨てるべきと言って良いと思います。
問題は,契約書の内容が修正を受ける可能性があることや,修正を受ける可能性があるとすれば,どの内容がどのように修正される可能性が高いのかを知らずに契約することです。
修正される可能性があるのであれば,作っても意味がない,記載しても意味がないということにはなりません。
確定的に内容の修正を受けるのは,裁判所などで判断された場合ですし,そもそも相手方も納得してその条件にサインしたのであれば,法律がどうあれ,そのままその点にはクレームをしない可能性もあります。
したがって,修正を受けるリスクはわかっておいた上で,「最善」と思える内容の契約書を目指すというのが現実的な対応だといえるでしょう。
英文契約書に関するサービス内容のお問合せ,見積依頼は下記からお気軽にどうぞ。
正式にご依頼頂くまで料金はかかりません。
原則として,当日,遅くとも1営業日以内(24時間以内)に折り返しご連絡させて頂いております。
| お問合せフォーム・メールでのお問合せ ※契約書を添付して頂ければ見積回答致します。 受付時間:24時間 |
| お電話でのお問合せはこちら 03-6453-6337 弁護士菊地正登(キクチマサト)宛 受付時間:9:00〜18:00(土日祝日は除く) |
この用語が自社の契約書に入っていて不安ですか?
契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。
弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,925件