英文契約書の相談・質問集364 いわゆる日本語英語で英文契約書を作成しても大丈夫ですか。
英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「いわゆる日本語英語で英文契約書を作成しても大丈夫ですか。」というものがあります。
日本語英語での契約書作成というのは,例えば,日本企業の担当者が,日本語で作った契約書を,機械翻訳などにかけて英訳し,それを英文契約書として使用するような場合です。
他にも,もともと英文契約書として作成された契約書の一部を修正するときに,修正文を日本語で作成し,それを機械翻訳して英文化して挿入するという場合も問題になります。
つまり,最初に日本語で作成されたいかにも日本語っぽい文章を直訳で英訳した表現に問題はないかというのがここでの視点です。
このようなケースで最初に問題になるのは,そもそもの表現が日本語なので,英訳した英文の表現に違和感があり,相手方がサインに応じないという場合です。
この場合は,やはり自然な英語表現にするために,英語ができる人に英訳してもらったり,英文契約実務に精通している人に英文表現を作り直してもらう必要があるでしょう。
次に問題になるのは,相手方が文意を理解し,契約書にサインしてくれたとして,その表現が契約書として意図どおりにリスクヘッジできているのかという点です。
どういうことかと申しますと,日本の裁判所で審理するような場合は,英文契約書を結局は日本語に和訳して,日本の実務に従って裁判されるので,特に問題にならないのですが,日本語英語で作られた英文契約書を外国の仲裁や裁判所で証拠として使う場合,意図した内容として解釈しれもらえない可能性があるという問題意識です。
通常,英文契約書は英米法の実務に従って作られていますので,独特の言い回しや用語などがあります。
ところが,日本語英語で作られた契約書は,そのような言い回しや用語を無視して,日本語をそのまま英訳しているので,これらが英米法実務に従って審理される場合,本来の意味で解釈されない可能性があるということです。
そうすると,相手方もサインはしたものの,いざトラブルになれば国際標準としての英米法の実務に従った解釈で対応してきますから,日本企業としては「話が違う」ということになる事態がありえます。
そのため,やはり「郷に入っては郷に従え」ということで,国際取引の標準となっている英文契約書(英米法に習った英文契約書)を作成するのが望ましいでしょう。
こうした点から,やはり英文契約書を作成したり修正したりする際は,日本語の脳のままで文言を作成し,それを機械翻訳して済ますということは避けたほうが良いかと思います。
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