Is not entitled to...(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Is not entitled to...というものがあります。

 

 これは,通常,英文契約書で使用される場合,「…する権利がない,…することができない」という意味で使用されます。

 

 肯定形は,is entitled to...ですが,これは,当然ながら,「…する権利がある,…することができる」という権利を表します。

 

 禁止表現は,基本的にshall notという表現がよく使用されます。

 

 ただ,shall notは禁止表現のため,...してはならないという意味になります。

 

 例えば,一定の場合には,買主は売主に対して損害賠償請求をすることはできないという表現があったとします。

 

 この場合に,shall notという表現を使用すると(意味は伝わるでしょうから,絶対に使用してはならないということではないですが),厳密には,損害賠償請求をしてはならないという禁止表現になります。

 

 これは,少し違和感がある表現といえます。あくまで損害賠償請求権は権利ですので,これが行使できるかできないかという問題であり,行使してはならないということではないからです。

 

 行使してはならないという禁止表現になると,細かくいうと,権利は生じているが権利行使が禁止されるという内容にも読めます。

 

 そのため,このような権利の否定の場合は,端的に権利を否定する表現であるis not entitled to...という表現を使用するのが望ましいといわれることがあります。

 

英文契約書の相談・質問集90 英文契約書で日付を記載するときに決まりはありますか。

 

 海外進出・海外展開をするときに必要になる英文契約書の作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「英文契約書で日付を記載するときに決まりはありますか。」というものがあります。

 

 英文契約書に契約締結日(Execution Date)発効日(Effective Date)をはじめ,日付を記載する機会は多くあるかと思います。

 

 その際に,英文契約書に日付をどのように書くべきなのか教えて欲しいという相談を受けることがあります。

 

 日付については,昔(今でも固い書面ではこうなっていることも多いですが)は,this [date]th day of [month], [year]などと表記していました。

 

 ただ,最近は,もう少し端的に,[date] [month], [year]とすることも多いです。

 

 なお,上記の日付表現は,最初に「日」が来て次に「月」ですので,いずれもイギリス(英国)式です。

 

 アメリカ(米国)式では,最初に「月」が来て次に「日」が来ますので,[month] [date], [year]となります。例えば,2017年5月11日であれば,May 11, 2017と表記します。

 

 逆にイギリス式ならば,11 May, 2017ということになります。

 

 イギリス式とアメリカ式のどちらを採用しても構いません。ただし,重要なのは,どちらかを使用したら,その用法で統一することです。

 

 当然ですが,両者の表現が同一の英文契約書で混用されていると,問題になる日付の捉え方が違うということになり,解釈に問題を生じて紛争の火種になりかねません。

 

 その他の記載方法に,数字だけで記載するという方法もあります。アメリカ式で記載する場合,上記の例であれば,05/11/2017という書き方です。

 

 私がイギリス留学時に書面にサインするときに日付を書くときは,面倒なので,数字だけで記載するということをよくしていましたし,数字だけの日付記載をよく目にしました。

 

 日常生活では,このような表現でもまず問題になることはないでしょう。

 

 しかしながら,このような表記の方法は,英文契約書では避けた方が良いです。

 

 なぜなら,数字によっては,イギリス式とアメリカ式で日付が変わってしまい,無用な混乱を招くおそれがあるためです。

 

 上記の例で,05/11/2017という表記は,アメリカ式では5月11日ということになりますが,イギリス式でいえば11月5日ということになってしまいます。

 

 05/13であれば,13という数字が月を表すことはありえないので,05が月で13が日にちであることは争いはないですが,上記の11のように月と日にちの両方がありうる場合は,逆に捉えられてしまう危険があるのです。

 

 したがって,イギリスやアメリカに滞在中に書類を書く際に数字のみの日付を書く場合には,その国の慣行に従っていることが前提になっていて基本的に誤解がないため問題ないですが,契約書など,国をまたぐ場合には,また,重要な書類の場合には,このような表現は避けるべきといえます。

 

 いちいち月を書くのが面倒だということであれば,せめて月の略語(例えば1月なら「Jan.」)を使用した方が良いでしょう。

 

 なお,笑い話ではありますが,英語を母国語としない人にとって,特にFebruaryのスペルは何度書いても覚えられないという都市伝説のような話もあるので,スペルミスには注意されて下さい。

 

 現場で契約書にサインをする際に,突然Februaryのスペルが出てこなくなってしまったが,聞くのも恥ずかしいという場合には,前述した略語を使用してFeb.と書いてしまうのも一案かもしれません。   

 

 基本的な話ですが,日付は,契約や権利・義務の発生日や,有効期限の起算日・終了日などを表すことがあり,英文契約書で大切な役割を果たすため,このような基本的なこともおろそかにしないように注意しなければなりません。

 

→next【英文契約書の相談・質問集91】Best/reasonable effortsと書けば販売店の義務は十分ですか。

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Basket(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Basketがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常は,損害賠償に絡む規定,特にM&Aの表明保証違反の場合の損害賠償に関して見られる規定で,「最低限度の損害額」という意味を表す用語として使用されます。

 

 例えば,M&Aに関する契約において,売主が買主にした表明保証の内容に表明保証の内容が事実と異なることが判明した場合,通常は,売主は買主に対してそれにより被る損害を賠償する義務があると英文契約書では定められています。

 

 もっとも,M&Aに関する契約書の場合,表明保証事項は多岐にわたって要ることが多いため,表明保証違反の程度も様々ということになります。

 

 例えば,買収対象会社がある契約の債務の履行を失念しており,少し期限を過ぎてしまったため,余計な遅延損害金を取られたなどという場合に,その額が5万円程度だったとします。

 

 これでも,通常は,債務の不履行はないことを売主が表明保証させられていますので,表明保証違反による,損害が5万円発生したことになります。

 

 そのため,買主は,売主に対し,5万円の損害賠償請求が可能ということになります。

 

 これでは,いかにも瑣末で,大きな取引になることが多いM&Aの実務にはなじまない,売主の負担が大きいなどの理由から,このBasketという条項が挿入されることがあります。

 

 例えば,買主の売主に対する表明保証違反の損害賠償請求は,その合計額が金100万円以上とならない限り,損害賠償請求はできないなどとして定められます。

 

 この定め方にも大きく分けて2通りあります。一つ目は,first dollar basketと呼ばれるもので,上記の例でいうと,損害額が100万円以上に達すれば,全損害額を支払うという定め方です。

 

 もう一つは,deductible basketと呼ばれる方法で,例えば,上記の例でいえば,損害額が100万円を超えて500万円だったとすると,100万円を超えている部分である400万円だけ賠償すると規定する方法です。

 

 もっとも,損害は損害であり,本来賠償請求するかどうかは買主の問題ともいえますので,買主としては,このようなBasket条項を安易に受け入れず,対象会社の事業内容や,M&Aの目的などに照らし,受け入れの是非,内容の妥当性を検証しなければなりません。

 

Might(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Mightがあります。

 

 これは,mayに比べれば頻出するという用語ではないですが,mayと区別して理解しておいた方が良い英文契約書用語であるといえます。

 

 Mayは裁量(discretion)を表すとされ,may...で,「...してもしなくとも良い」という意味を表すとされています。

 

 そのため,厳密には権利を表すときにはmayではなく,is entitled to...とすべきだという論者もいますが,英文契約実務では,mayは権利(「…することができる」)を表す用語としてよく用いられています。

 

 ただ,mayは多義語ですので,この他にも様々な意味を持っています。

 

 したがって,同一の英文契約書内で,いろいろな意味でこのmayを使用すると,意味の把握に混乱を生じ,場合によって英文契約書の解釈に疑義を生じる可能性があります。

 

 そのため,mayについては,同一の英文契約書で,複数の意味を持たせて使用するのは避けたほうが無難です。

 

 統一的に,mayを使用した場合はあくまで権利や裁量を表すとして使用すれば,基本的に混乱は生じませんので,私の経験上もmayの使用により大きな問題を引き起こすことはないかと思います。

 

 海外の判例でmayの意味について争われたりしている事例もありますし,判例には学ぶべき点も多いですが,判例はあくまで例外中の例外のようなもの,紛争が自主的に解決できないくらいに揉めたものという理解も必要です。

 

 したがって,英文契約書では,文言に敏感であるべきで,慎重に検討すべきですが,他方で,あまりに慎重になりすぎて,作成に多大な時間と費用を要し,こちらに一事が万事有利となってしまうと,失注することもありえ,そうなると本末転倒です。

 

 そのため,学術的なきめ細かさと実務の現場のスピード感覚をうまく両立させる必要があります。

 

 話がそれましたが,mightが使用されている場合は,上記の多義的なmayを使うことを避けたいがために使われている場合が多いといえます。

 

 通常は,「…かもしれない」という意味で仮定的用法を意識して使用されるようです。

 

 あまり,英文契約書において「…かもしれない」という意味でmayやmightを使用するという場面は多くないかもしれません。

 

 ただ,mayが多義的なために,使用には注意が必要で,なるべく多義的には用いないという原則が働くため,他の意味である「かもしれない」という意味で使用する際には,mayではなくmightが用いられる傾向にあるという理解はしておいた方が良いと思います。

 

 このように,ある用語の使用を避けたいがために別の用語を使用するということは英文契約書ではよくあります。

 

Except for...(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Except for...があります。

 

 これは,英文契約書独特の用語というわけではないですが,英文契約書でよく使用されます。

 

 通常は,「…を除いて」という意味で使用されます。英文契約書では,何かの定義をしたり,権利や義務を課したりすることが多いですが,そのような場合に,except for...の...部分はそこに含まれない,除外されるということを表現する際に使用します。

 

 このような技法を,カーブアウト(carve out)と呼ぶことがあります。Except for...によって,該当事項を例外的に削り出してしまうというニュアンスからです。

 

 何かが例外になる,何かが含まれないということを明記するのは非常に重要です。

 

 例えば,英文契約書に自社の義務が広範囲に書かれている場合,自社にとっては不利益です。

 

 できればそのような義務を一切負いたくないということもあるでしょう。そうすると,その義務規定をすべて削除するということになります。

 

 しかしながら,当然ですが,契約には相手方がいます。相手方は,貴社の義務をすべて削除するなどという要求を飲めるはずはありません。

 

 そのため,交渉が難航するということが起こりえます。このようなときに,このカーブアウトの手法は有益な場合があります。

 

 自社にとって,これだけは義務として負うことはできないというものを明確化し,その余は譲歩できないかという視点で検討することがありえるのです。

 

 こうすれば,一般的な義務は負っていたとしても,貴社が絶対に回避しなければならない義務については明確に廃除されていることになりますので,貴社のリスクが減りますし,相手方も全部削除という要求よりは,飲みやすくなります。

 

 英文契約書の交渉において,大切なのは,徹底的に自社に有利にするというより,相手がいることなので,譲歩できるところは譲歩し,無理のない範囲で自社の利益を最大化するという視点です。

 

 このような場合にexcept for...という例外,排除を表す用語が使用されます。

 

 Except for...と類似する用語には,save for...やsave as to...があります。これらも,except for...と同様に,カーブアウトの手段を用いて,例外を切り出してしまい,一般的な義務や責任から逃れると表記する際によく登場する英文契約書用語です。

 

 逆に,except for...で例外にされてしまうと不利益を受ける側の当事者は,この例外を示す用語が登場した場合,自社にとって,絶対に外せない事項が含まれていないかを精査する必要があります。

 

Beginning on...and ending on...(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Beginning on...and ending on...があります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「…から…まで」という意味で使用されます。

 

 …の部分には日付が入り,期間を表す用語として,このbeginning on...and ennding on...はく使われます。

 

 なお,from...to...やbetween...and...も期間を表す用語としてよく使用されます。

 

 ただし,from...to..やbetween...and...は,穴埋めされた日付を含むのか含まないのかが不明であるため,使用をさけるべきだと言われています。

 

 form...to..やbetween...and...の場合,...部分に記載される日は含まないとしている解釈が多いようには思いますが,to...部分は含まれるですとか,逆にすべて含まれるという解釈もないわけではありません。

 

 このように,form...to..やbetween...and...は英文契約書でよく見かける表現なのですが,実は,...の日付が含まれるかどうかは,あいまいだということになります。

 

 もし,締結した英文契約書に,form...to..やbetween...and...を使った表現がある場合,念のため,期間が短くなるように理解をし,期限を過ぎてしまったり,本来許されていない日まで何かをしてしまったりと,期限を過ぎていたが故に契約違反だとされないように理解しておくことが重要です。

 

 また,英文契約書をドラフトする際に,期間を記載するときは,あいまいさを回避するため,beginning on 1st March 2018 and ending on 30th April 2018などと,両日ともに含まれることを明確にすることを心がける必要があります。

 

 他にも,from...(exclusive) to...(exclusive)などとすれば,...の部分に書かれた日付自体は含まない意図であることが明確になります。

 

 英文契約書で書かれた期間が特に重要な内容でなければ,先ほど述べた通り,念のため短く考えておけばそれほど大きな問題とならない場合が多いでしょうが,権利の行使期間や義務の履行期間など重要な場合もたくさんあります。

 

 このような場合に,穴埋めされた日付を含むのか含まないのかはときに重大な意味を持つことがあります。

 

 特に,期間が短いような場合,1日,2日の差が大きなものとなってしまいます。

 

 そのため,たかが日付の記載などとは考えず,実際にその期間はどこからどこまでなのか,正確に把握する必要があります。

 

 これは,暦日なのか,営業日なのかなど,期間の長短に影響するその他の表現に類似する問題です。

 

Owed by...(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Owed by...があります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「…により支払われるべき,…が負っている」という意味で使用されます。

 

 Byの後に置かれる者がownedの前に置かれるもの(負債など)を負っているという意味でよく使われます。

 

 例えば,any debts owned by Debtorなどとされれば,「債務者が負っているすべての負債」という意味になります。

 

 当然ですが,英文契約書において,債権債務がどのように取り扱われるかは重要な意味を持っています。

 

 その中でも,債権債務の履行期は重要で,債務者が期限の利益(履行期までは債務を履行しなくて良いという利益)を有する場合,例えば,他の取引で債務不履行があったような場合に,当該債務についても期限の利益を喪失させた方が良いかなどの問題で履行期が議論されることがあります。

 

 このowed by...という表現が登場した場合,何らかの負債について言及されていることになるでしょうから,その負債がどのように取り扱われているのかをチェックすることが大切です。

 

 前述した期限の利益の喪失など,債務の履行期についての取り決めなのか,債務の免責について取り決めているのか,内容を的確に把握する必要があります。

 

 特に免責について規定されているような場合,債務の免責に範囲が明確に規定されていないと,後で思わぬ重大なトラブルを生じることがあります。

 

 債務を免責する場合は,免責される債務の範囲を明確にし,かつ,その免責が発動されるための要件を明確にする必要があります。

 

 特に,M&Aなどが行なわれる場合に,買収対象会社が有する債権を取得することが目的の一つになっているような場合,対象会社が有する債権が一定の要件を充たすと放棄されてしまう(債務が免責されてしまう)という内容になっていたりすると買収者にとっては損害になります。

 

 M&Aでは,このような問題を表明保証など様々な手法で手当をしますが,そもそもこのような内容を見落とすような事態は絶対に避けなければいけません。

 

 債務の取り扱いは,英文契約書において非常に重要な意味を持っていますので,これらについての規定があいまいであったり,よくわからないままに契約書にサインしてしまったりすることがないようにしなければなりません。

 

In the absence of...(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,In the absence of...があります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「…がない場合は」という意味で使用されます。

 

 例えば,業務委託契約(Service Agreement)で,委託者が第三者から何らかの権利を取得することが受託者の業務の前提になっているような場合に,それがなった場合にどうなるかを規定する際に,「委託者が第三者から権利がない場合には」などとして,このin the absence of...を使用することがあります。

 

 In the absence of the right of a third party...などとして使用されます。

 

 また,ある行動をすることが義務として前提になっていて,その義務が果たされなかったという行動がないという場合には,failing of which...などとして,義務が履行されなかった場合にどうするかということを規定することもあります。

 

 In the absence of...が英文契約書で登場した場合,ofの後に置かれる内容はそれがない場合にどうなるのかという規定の前提になるものですので,重要な内容です。

 

 また,当然ですが,in the absence of...の目的語がないという場合には,どういう帰結になるのかも重要です。

 

 そのため,in the absence of...が含まれる規定では,「何がないとどうなるのか」ということが書かれている場合が多いですので,重要な内容であることが多いといえます。

 

 そのため,要求されている物や権利という前提が何であるかをしっかりと確認し,それがない場合には,自社がどのような不利益を受けたり,義務を課されたりするのかをチェックする必要があります。

 

Appoint(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Appointがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「任命する/指名する」という意味で使用されます。

 

 よく見られるのは,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)や,代理店契約(Agency Agreement)の契約書の中です。

 

 例えば,Supplier appoints Distributor as its exclusive distributor for the Products in the Territory.(サプライヤーは,販売店を,本地域内における本製品の総販売代理店に指名する。)などとして使われます。

 

 代理店契約でも,Seller appoints Agent as its non-exclusive agent for the Products in the Territory.(サプライヤーは,代理店を,本地域内における本製品の非独占的代理店に指名する。)などとして使われます。

 

 このように,appointというのは,何らかの役割を与えられるときに使用されることが多いです。

 

 したがって,上記の販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)や代理店契約(Agency Agreement)以外でも,appointとある場合,何らかの役割,すなわち義務が課されるということに繋がりますので,appointという英文契約書用語は,英文契約書を作成,チェックする上で,大切な用語だといえます。

 

 委任契約(Service Agreement)やSales Representative Agreementを作成する際も,appointという用語が使われることがあります。

 

 委任契約(Service Agreement)やSales Representative Agreementを作成する際は,受任者やレップの役割や,業務範囲,権限の内容が重要です。

 

 それらがきちんと英文契約書に記載されているのかを,チェックする必要があります。

 

 もし,業務範囲や権限,役割に交渉時の内容と異なることが英文契約書に記載されているということであれば,再度各内容について見直す必要が出てきます。

 

 業務範囲などに理解の不一致があると,高確率で後でトラブルになりますので,この点は,契約を履行する前に,契約の作成時・締結時に十分に話し合って,確実に契約に記載しておく必要があります。

 

In-warranty(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,In-warrantyがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「保証が付された,保証期間中の」という意味で使用されます。

 

 販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)や,商品の売買契約で,商品の品質や性能を一定期間保証する(Warranty)ことが一般的だと思います。

 

 このような保証が付されている場合のことを,in-warrantyと呼びます。

 

 逆に,保証がない,無保証のことは,non-warrantyということがあります。

 

 一回使って終わりという商品や,消費してしまう商品については,商品の引渡しがされてから,一定期間売主が品質や性能について保証するとしていて,その期間が終了すれば,保証が終了するということが多いかと思います。

 

 反対に,機械製品などで,ある程度まとまった期間,その製品を使用するというような場合には,メンテナンスや保守の問題が出てきます。

 

 このような場合は,一般的には,最初の一定期間は無償でメンテナンスや保守が行なわれ,一定期間を過ぎてもメンテナンスや保守を受けたいという場合は,有償での保証契約を締結するというようにするかと思います。

 

 また,保証内容や保証の程度も契約内容や商品によって様々です。

 

 一般的には,問題のある商品が見つかった場合,商品を問題のないものに交換したり,代金を返金したり,修理したりというパターンが多いかと思います。

 

 メンテナンスや保守契約の場合は,エラー等のレベルや緊急性に応じて,補修対応のレベルが分けられているということもあります。

 

 こうした保証内容の他,例えば,欠陥品が納品されたが故に,転売利益を得る機会を逸したなどの場合,この損害の賠償を請求できるかという損害賠償責任の問題も生じることがあります。

 

 そのため,契約書では,契約書に明記されている保証内容以外の責任については,売主は免責され,一切責任を負わないと定めることも多いです。

 

 販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)や商品の売買契約では,当然ながら,商品の保証問題は大きなテーマです。

 

 買主としては,自身が納得できるほどの厚い保証があれているかをチェックする必要がありますし,売主としては,合理的範囲内の保証内容に収まっていて,損害賠償リスクなどが無制限に拡大することのないようにチェックする必要があるといえるでしょう。

 

 また,実際に商品に欠陥があることがわかったような場合は,買主としては,in-warrantyの状態にあるのかをチェックしつつ,契約書に書いてあるとおりの手順(例えば,商品の写真を撮って売主に通知する,商品を送付するなど)で売り主に対して,保証内容を実行するように要求していくことになります。

 

Reserve the right to...(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Reserve the right to...があります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「...する権利を留保する」という意味で使用されます。

 

 実質的意味としては,have the right to...やmay...と変わらないのですが,このreserve the right to...という表現も英文契約書ではよく登場します。

 

 あえてreverve the right to...という表現を使用する場合,「当然…する権利はあるのだけど,念のため言っておくと,…する権利は持ったままですよ。」というニュアンスを出したいという意図があることがあります。

 

 例えば,「相手方当事者が契約違反をした場合,契約違反をされた当事者は契約を解除することができますが,もちろん損害賠償請求する権利も留保します。」というニュアンスで使用することがあります。

 

 また,所有権留保などを定めて,「売主が買主に商品を引き渡したとしても,代金を完済するまでは,売主が商品に対し所有権を有し,期日までに支払いがなされなければ所有権に基づき商品を回収する権利を留保します。」などと規定することもあります。

 

 これは,当然の権利があるが,念のため規定しておくというよりは,所有権が代金が完済されるまで売主にあるということは,完済がされなければ売主は商品を回収する権利があるという具体的・補足的な権利を明記しているというニュアンスがあります。

 

 前述したニュアンスが含まれる場合に,reserve the right to...という表現を使わなければならないのかというと,そういうことは全くありません。

 

 ストレートに,have the right to...と表現しても問題ないですし,may...としても権利を表す表現として何ら問題はありません。

 

 また,前述した解除権のほか,損害賠償請求件も留保するというのは,解除権の行使は別途損害賠償請求権の行使も妨げないという意味と同じですので,without prejudiceですとか,not precludeなどの表現も同様の文脈で使用できます。

 

 このように,reserve the right to...とすることで特別法的な意味が変わるということはないのですが,念のために記しておくとというニュアンスを出したいときには,この表現を使うこともあります。

 

At one's own account(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,At one's own accountがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「…の費用負担で」という意味で使用されます。

 

 英文契約書で使用される類義語には,at one's own expenseがあります。

 

 こちらも,「…の費用負担で」といういみになります。

 

 これらは,あくまで,契約書に記載された何らかの義務を履行する場合などに生じる費用をいずれの当事者が負担するのかを表した,費用の問題です。

 

 費用の問題や,契約書の義務を履行する際に何らかのトラブルになどがあった場合に,それらの責任もどちらの当事者が負うのかという内容も含ませたい場合は,「責任」という用語を使うことがあります。

 

 その場合は,at one's responsibilityなどと表現したり,is the responsibility of...などと表現したります。

 

 また,at one's own riskという表現をしても,同じような意味となります。

 

 これらの,費用負担や責任の所在について規定する契約書用語は,非常に重要です。

 

 当然ですが,金銭的な負担がどちらの当事者にあるのか,何か問題が生じた場合の責任をどちらの当事者が負うのかということは,非常に重要なテーマです。

 

 英文契約書でこれらを規定する際に使えるのが,at one's own accountをはじめとした前記のような用語になります。

 

 英文契約書は,特に,こうした責任の分配に気を使って作成,チェック(レビュー/審査),修正されることが多いです。

 

 日本語の契約書ですと,損賠賠償責任というタイトルで条項があり,内容は,「当事者が自己の責めに帰すべき事由により相手方に損害を与えたときは,相手方は,その損害につき当該当事者に対して賠償請求することができる。」などと規定しています。

 

 これに似て非なるものが,英文契約書におけるIndeminity/Indemnification(補償)条項です。

 

 これは,当事者の損害を賠償するという考えというよりは,責任の配分を予め定めているという性格のものです。

 

 そのため,この種のIndeminity/Indemnification(補償)条項では,「一定の事由が生じた場合,誰が誰を補償し,自己の責任で対応し,一切相手方に損害を生じさせないようにする。」という趣旨の内容が記載されています。

 

 要するに,一定の場面では,誰が責任を取るのかという責任の分配の問題を規定するのです。

 

 海外取引・国際取引では,特にトラブルを生じやすいので,費用は責任の分配は予め明確に英文契約書に規定しておくことが望ましいです。

 

 自社が取引先との間で想定しているビジネスにおいて,ビジネスが実際に開始された場合,どういう費用が生じる可能性があり,どういう責任を生じる場合があるのかを事前に想定して,その分配について定めておくことが大切になります。

 

Apply(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Applyがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「適用する」という意味で使用されます。

 

 英文契約書の各条項は,基本的に,その内容に合意した者,つまり,契約書の当事者としてその契約書にサインした者に適用されます。

 

 ただ,契約書を作成,審査・チェックすする際に,原則,サインした当事者に対して本来適用される条項を適用したくないという場面も登場します。

 

 そのような場合に,このapplyを否定形にして使うことがよくあります。

 

 よく使われる場面は,原則として…であるという条項の本文を書いておいて,ただし,こういう場合には,例外的に本条項は適用しないという但書(Proviso)を規定するときです。

 

 Provided, however, that...などの但書を作るときの決まり文句と一緒に使って,例外的に適用がない場面を規定します。

 

 例えば,provided, however, that this Aiticle shall not apply if...(ただし,…の場合には本条は適用されない)などとしてapplyが登場します。書かれている内容は重要です。

 

 どういう場合に,その条項に書かれた権利や義務が生じるのかについて正しく理解していないと後でトラブルになりやすいです。

 

 そのため,英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際に,但書やapplyという条項の適用に関する英文契約書用語が登場した場合,注意深く読み込む必要があります。

 

 Applyはapplicableという形容詞の形でもよく英文契約書に登場します。

 

 例えば,applicable lawは,和訳すると「適用法令」や「準拠法」ということになります。

 

 契約書で,適用法令を遵守することを義務付けられることがよくありますが,法律は数多く存在していますので,すべての適用法令を厳密に遵守することは実は難しかったりします。

 

 そのため,例えば,輸入手続きに関する法律に関して軽微な違反などをしてしまうということは現場ではありえます。

 

 こうした場合に,法令遵守義務違反,つまりは,契約違反なので,契約解除を主張されるなどということがないように,適用法令遵守の条項も修正しなければならないこともあります。

 

 このように,契約書の条項の適用の有無や,法令適用の問題は重要なテーマですので,applyやapplicableという英文契約書用語は覚えておいたほうが良いでしょう。

 

Avoid(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Avoidがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「(契約などを)無効にする/解除する/取り消す」という意味で使用されます。

 

 英文契約書で,契約が無効になるという表現は,null and voidというのが通常使われると思います。

 

 また,英文契約書で,契約を解除するという表現は,terminateという用語を使うことのほうが多いかと思います。

 

 そのため,このavoidという英文契約書用語はそれほど見かける機会が多いわけではありません。

 

 ただ,avoidというのは,日常用語では,「…を避ける」という意味で使用されることが通常でしょうから,英文契約書で登場した場合,意味を取るのが難しい,誤解するということが起こりやすい用語といえます。

 

 そのため,英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際に,avoidが登場し,「…を避ける」という意味で捉えると,違和感がある場合,この「(契約などを)無効にする/解除する/取り消す」という意味で使用されている可能性があります。

 

 契約などを解除するという意味で使用されている場合,当然ですが,その条項は,重要な内容を含んでいます。

 

 契約が無効になったり,解除になったりすれば,当事者に損害が生じる可能性がありますので,どのような場合に無効になったり,解除されたりするのか,正確に内容を把握する必要があります。

 

 また,契約が無効となったり,解除となったりされた場合に,損害が生じることがありえますから,その賠償などはどのようになるのかについても,きちんと取り決めをしておく必要があるでしょう。

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際には,ある用語が出てきた場合,注意してその用語を含む条項を読んだほうが良いというものがいくつかあります。

 

 Avoidや,null and void, teminate, cancel, rescindなどが,こうした契約を無効にしたり,解除したり,取り消したりする英文契約書用語になります。

 

 これらが登場した場合には,重要な内容が含まれていると考えてまず間違いがないと思います。

 

 こうした,注意すべき英文契約書用語をリスト化しておくと,英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際に,メリハリをつけながら対応できるので,おすすめです。

 

Other than...(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Other than...があります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「…以外」という意味で使用されます。

 

 特に,英文契約書では,否定文と一緒に使われることが多く,その場合は,重要な内容を含んでいる可能性があります。

 

 例えば,Buyer shall not use the Produts for any other purposes than the Purposes under this Agreement.(買主は,本製品を本契約上の本件目的以外の目的で使用してはならない。)などとして,使用されます。

 

 Thanのあとに来る目的以外の目的での使用が禁止されるということになります。他の表現でも,thanのあとに置かれるもの以外は禁止されているということになる場合があるので,重要な内容を含んでいます。

 

 違う理解の仕方をすれば,禁止されている内容が先に述べられていて,thanで許される例外が挙げられているということになります。

 

 このような例外を定める表現は他にもたくさんあります。例えば,except for...やsave for...は例外を定める表現でよく登場する英文契約書用語です。

 

 禁止条項などにおいて例外の内容は極めて重要です。例外として書かれているもの以外は禁止されますし,逆にいうと,例外として記載すれば許されることになるので,交渉時にはother than...などの表現はよく使用します。

 

 例外をうまく設けることによって,実質的に禁止条項を死文化させるというようなことができることもあります。

 

 例えば,「契約当事者が自分で本契約の目的を達成するために必要だと認めた場合を除き,…してはならない。」というような表現を入れられれば,自社の判断で必要だと思えば,例外に該当し,…して良いということになるので,これは実質的に禁止規定を死文化させたような効果があります。

 

 英文契約書に禁止規定が挿入されていた場合に,禁止を受ける当事者が承服できないと判断したとします。

 

 その場合に,ストレートなのは当該禁止条項を英文契約書から削除してしまうことです。ただ,これはストレートなだけに相手に抵抗されることが多いです。

 

 そのような場合には,こちらも譲歩しているということを見せつつ,実質的に禁止条項を空文化させるような表現を使うということもテクニックとしてはありえます。

 

 もちろん,相手も法的な知識があったりすればすぐに気づくでしょうが,それにしても,削除しか代替案がないよりは,交渉もしやすいといえるでしょう。

 

 このように,other than...などの英文契約書用語は,否定文などをそのまま受け入れがたいという場合に,うまく例外を設けることによって内容を変更する際に,有用な表現であるといえます。

 

Unless otherwise agreed in writing(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際によく登場する英文契約書用語に,Unless otherwise agreed in writingがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「書面による別の合意がない限り」という意味で使用されます。

 

 英文契約書の中である取り決めをしたときに,例外を作る余地を残すためにこのような表現を入れます。

 

 例えば,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)において,販売店(Distributor)が商品を受領してから一定の期間内に検査をして,もし問題があれば,一定の期間内に通知をしなければ,クレームをする権利を失うという記載があったとします。

 

 上記は,原則的な処理を定めたものですので,商品によっては,上記の一定期間が短すぎるという場合があるかもしれません。

 

 ただ,いろいろな商品を取り扱っている場合に,商品ごとに検収期間やクレームを主張できる期間を分けて記載するのもあまり良策とは思えません。

 

 こういう場合に,内容によっては,一定の期間が経過していたとしても,クレームができる余地を残すために,Unless otherwise agreed in writingとしておき,ケースバイケースで,当事者が別途書面によって別の合意をすれば,別の内容を適用できるようにしておくのです。

 

 もっとも,英文契約書では,通常,Amendmentという条項が入れられており,そこには,「署名権限のある当事者が書面により合意すれば,本契約の内容を改定できる。」という趣旨の内容が記載されています。

 

 そのため,個別の条項にUnless otherwise agreed in writingという用語が入っていなくても,署名権者が書面にサインして別の合意をすれば,契約の内容を変更できることになります。

 

 したがって,多くの場合は,この文言は,別途合意する可能性が高い場合に,念のためという趣旨で書かれているにすぎないといえます。

 

 もっとも,Unless otherwise agreed in writing (including email)などとしてあると,上記とは少し状況が変わります。

 

 Amendmentによって,契約自体を変更する場合は,重要なことですので,通常は,電子メールでの合意は不可であり,署名権限のある者がサインして書面で合意しなければならないと決められています。

 

 そのため,あえて,ある条項にだけ,Unless otherwise agreed in writing (including email)としてあれば,その条項の内容については,担当者間の電子メールでのやり取りで,変更できるということになるわけです。

 

 こうしておけば,契約書の内容を変更する可能性が高い条項については,いちいち代表者が署名した書面で内容を変更する必要がなく,スピーディに契約内容を変更できるということになります。

 

Surplus(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Surplusがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「余剰」という意味で使用されます。

 

 製造委託契約(Manufacturing and Supply Agreement)や,OEM契約などでよく登場します。

 

 これらの契約によって,外国の企業に自社製品の製造を委託する場合,メーカーの指定した数を超えた数の製品が製造されることがあります。

 

 この場合その余剰品(Surplus)についてどのようにすべきかを英文契約書で取り決めておくことがあります。

 

 そうしないと,余剰品を勝手に製造受託業者が転売などして,メーカーのブランド価値が毀損されるなどのリスクがあるからです。

 

 そのため,契約書に,Surplusが生じた場合は,メーカーが次回の注文時に買い取るとか,廃棄しなければならないとか,対処法を記載してあることがあります。

 

 その際の余剰分を指し示す英文契約書用語として,このSurplusが使用されます。

 

 また,その他の使用方法としては,「剰余金」という意味で使われることもあります。

 

 株式の配当をする際の,対象となる剰余金もこのSurplusという用語が使われることがあります。

 

 この配当金の対象としての剰余金という用語の使用は,英文契約書というよりは,英文の定款でよく使われます。

 

 「余剰」や「剰余金」がどのように処理されるかについては,契約書や定款をしっかり確認して事前に把握しておく必要があります。

 

 余剰の話をしているからといって,本質的でないなどと判断して慎重に内容を検討しないとなると,あとでトラブルに繋がる可能性がありますので,注意が必要です。

 

Grace Period(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Grace Periodがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「猶予期間」という意味で使用されます。

 

 もともとは,特許に関し,発明の公表に伴う新規性喪失の猶予期間のことをいいました。

 

 ただ,それが一般用語化して,英文契約書で猶予期間という意味で使用されるようになりました。

 

 例えば,当事者の一方が契約違反をした場合に,その違反を是正するよう通知をして,一定期間経過しても是正がなければ,契約を解除できると英文契約書に定めることがあります。

 

 この際の一定期間のことをGrace periodと表記することがあります。

 

 特許の新規性要件などとは関係なく,一定の猶予期間という意味で使用されていることがわかると思います。

 

 Grace periodという用語が特許とは関係のない契約書で登場した場合は,単に一定の猶予期間という意味で使用されている可能性が高いので,英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際に,混乱しないようにして下さい。

 

 このGrace periodがどの程度設定されているかは,当然ですが重要です。

 

 契約解除という重要な法律効果がいつ生じるのかなどに関わるからです。

 

 期間が短すぎて不利益を被る場合は長くするよう交渉すべきですし,逆に,猶予期間が長すぎて不利益を被る場合には,短くするように交渉すべきです。

 

 Grace periodが妥当な範囲内にあるかどうかを,英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際にはきちんと確認することが大切です。

 

Defray(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Defrayがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「支払う/負担する」という意味で使用されます。

 

 類義語としては,responsibleが挙げられます。

 

 契約をした後に契約上の義務を履行するにあたり何らかの費用が発生する場合,その費用をどちらの当事者がどれだけ負担するのかはビジネスを行う上で重要な問題になります。

 

 そのため,後で揉めることがないように,予め契約書で費用負担については取り決めておくのが無難です。

 

 契約上の義務を履行する際に発生する費用についてすべて詳細に予め決めるのは難しい場合もあるでしょうが,できるだけ明確化しておくことをおすすめします。

 

 例えば,人の移動を伴う契約をする場合,移動や宿泊についての費用をどちらがどの程度負担するのかはよく揉めるので,注意が必要です。

 

 旅費宿泊費は,飛行機などのグレード,ホテルのグレードなども予め決めておかないと,ビジネスクラスやファーストクラスに乗られたり,5つ星ホテルに泊まられたりして後でトラブルになるということもあります。

 

 宿泊の際のホテルでの食事代なども含むのか,上限はあるのかなど,できるだけ詳細に決めておいたほうが後で揉めることがなくなります。

 

 このように,Defrayという用語が出てきた場合,金銭的な問題について書かれていることが多いので,英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際には,よく内容を確認し取り決めるべき内容がきちんと書かれているかをチェックしなければなりません。

 

Contribute(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Contributeがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「貢献する」という意味で使用されます。

 

 ただ,英文契約書用語として使用された場合,日常のContributeとは少しニュアンスが異なるかもしれません

 

 例えば,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)で,メーカーが販売店(Distributor)の販促活動を支援して,一部費用を負担するという内容を記載することがあります。

 

 このメーカーが販売店(Distributor)の販促活動を支援し,その費用を負担するという内容を表すのにContributeという単語が使われることがあります。

 

 ResponsibleBearなど,費用負担を表す用語がほかにもありますが,これらに類似した意味で捉えると理解しやすくなります。

 

 販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)では,通常は販売店(Distributor)が自己の費用負担で商品の販促活動や宣伝広告活動をすると記載されます。

 

 もっとも,お互いのコミット度合いや,ビジネスモデル次第では,メーカーが積極的に販売店の販促活動を支援し,マーケット拡大を図るというケースもあります。

 

 このような場合,メーカーがどのような計算方法で,どの程度の金額の費用負担をするのか,ある程度契約書で具体的に定めておいたほうが無難です。

 

 販売店(Distributor)としてはより多くの協力を求めるでしょうし,メーカーとしては負担しすぎてしまっては利益が薄くなってしまいます。

 

 バランスを取りながら,あとで揉めることがないように明確に英文契約書に記載しておく必要があります。

 

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