On account of...(英文契約書用語の弁護士による解説)

英文契約書のレビュー・英訳・和訳のご相談を受け付けています。契約書を添付して無料見積 →

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,On account of...があります。

 

 これは,英文契約書で使用する場合,通常,「…の理由で/…を理由として」という意味で使用されます。

 

 請求権の根拠などを表現する場合に英文契約書に登場する用語といえます。

 

 any claim on account of...などとなっていると,...には請求権の根拠となる理由が書かれていることが多いということになります。

 

 このような「…の理由で」という表現は,他にも,due to, because of, based onなどがあります。

 

 これらは,全く同じ意味ということではないですが,請求権の根拠を表したりする際に使用されることがあります。

 

 このような表現は,免責規定などでよく登場し,免責規定である以上,その意義は重要です。

 

 ...という理由で請求してきても,その請求には応じる必要がないという文脈で,責任を否定する(免責する)条項としてこのon account of...が使用されることがあります。

 

 第三者からの知的財産権侵害における責任,製造物責任,保証責任,販売店契約などの終了に伴う補償責任,間接損害・結果損害の賠償責任など,英文契約書で責任の所在や負担割合を定めるべき内容は多数あります。

 

 これらの責任について,免責を定めたり,責任の分配を定めたりするときに,請求の根拠部分にこのon account of...が使われていることがあります。

 

 請求の根拠が異なれば,免責の対象外であるなどと主張されるリスクがありますから,免責条項にon account of...を使用する際には,請求根拠が例示列挙(そこに書いてある理由は例示であって,他にもありうる)なのか,限定列挙(そこに書いてある理由だけが対象となり,それ以外の理由は対象とならない)なのかを明確にする必要があります。

 

 もちろん,契約内容や,契約当事者(相手方が消費者個人のような場合)によっては,あまりにも広すぎる免責規定は無効と判断される可能性はあります。

 

 ただ,免責規定において免責の範囲があいまいだったり,狭く解釈されるおそれがあったりすると,免責の効果が不十分であるということになりかねません。

 

 そのため,on account of...を使用して,請求の根拠などを挙げる際には,表現に慎重にならなければならないでしょう。

 

この用語が自社の契約書に入っていて不安ですか?

契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。

契約書を添付して無料で相談する

英文契約書のリーガルチェックを依頼する

実際の納品物サンプル(修正履歴・コメント入り)を見る

料金表(PDF)をダウンロードする

弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,931件

執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

Where...(英文契約書用語の弁護士による解説)

英文契約書のレビュー・英訳・和訳のご相談を受け付けています。契約書を添付して無料見積 →

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Where...があります。

 

 これは,plain English(平易な英語)を英文契約書でも用いるべきという見解からは,使用しない方が良いという部類に入る用語になるかもしれません。

 

 他にも,here...やthere...という表現があり,これらも使用は避けるべきという人もいます。

 

 Where...という用語が使われた場合,基本的には,where...のwhereをwhichに置き換えて理解すると良いと思います。

 

 例えば,wherebyとなっていればby whichと読み替えて理解し,whereforとなっていればfor which,wherefromであればfrom which,whereofであればof whichと読み替えて理解するという具合です。

 

 英文契約書では,here...という表現は,まだ頻繁に使用されていると思います。There...は,thatのような意味で使用されますが,これもまだよく使用されている印象です。

 

 Where...は,here...やthere...よりは使用頻度が落ちる印象ですが,登場することはあります。

 

 Plain Englishの使用を心がけるということは良いのですが,自分がドラフトしない契約書ではまだまだ専門用語やjargonの類の用語が使われていますので,理解できないといけません。

 

 また,この用語はこういう意味だという専門家の間での共通の理解もあったりするので,それをあえて平易な表現に言い換えることでくどくなったり,意味が変わったりするおそれもあります。

 

 そのため,今後も法律専門家が好んで使っているわかりにくい英文契約書用語というのはなくならないと思います。

 

 一度理解してしまえば,それほど難しいということではないので,日常的な英語とは違う表現は一度集中して理解をすることをお勧めします。

 

 Here...,there...,where...という表現も日常の英語ではあまり見かけないので,理解するのが難しそうですが,一度理解してしまえば,それほど難解というものでもありません。

 

 なお,where...の表現で頻出するのはwhereasという用語だと思います。これは,前文と呼ばれる英文契約書独特の箇所に登場することが多いです。

 

 この場合のwhereasは特別な意味があるわけではないので,和訳をするときなどは,あえて訳出しないことが多いです。

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際には,こうした特殊な用語の理解は避けて通れませんので,理解してしまいましょう。

 

この用語が自社の契約書に入っていて不安ですか?

契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。

契約書を添付して無料で相談する

英文契約書のリーガルチェックを依頼する

実際の納品物サンプル(修正履歴・コメント入り)を見る

料金表(PDF)をダウンロードする

弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,931件

執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

Paid-up(英文契約書用語の弁護士による解説)

英文契約書のレビュー・英訳・和訳のご相談を受け付けています。契約書を添付して無料見積 →

Paid-upとは,英文契約書において「支払い済みの」という意味で使用される用語です。

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Paid-upがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「支払い済みの」という意味で使われます。

 

 当然ですが,この用語が使われる場合,前提として何らかの支払い義務があったが,それが尽くされ,支払いは既に済んでいるという文脈があります。

 

 このpaid-upが英文契約書でよく使われる場面は,研究開発委託契約書などで,完成した成果物に関する知的財産権の取り扱いについて規定した条項などです。

 

 委託者が成果物についての知的財産権を取得すると定める場合でも,成果物の中に,当該研究開発より前にすでに受託者が取得している知的財産権を使用した成果が混じっていることがありえます。

 

 そうなると,その知的財産権は受託者に帰属していますから,受託者としてもその知的財産権については自社に帰属したままにする必要があります。

 

 他方で,その知的財産権が受託者に維持されるとなると,委託者としては成果物の中に他人の知的財産権が入り込んでいることになりますので,そのままでは,委託者の自由に成果物を使用することができません。

 

 それでは,研究開発を委託した意味がありませんので,こうした場合には,通常,成果物に組み込まれた受託者の知的財産権を,委託者が無償で使用することができるという内容を契約書に書き入れます。

 

 この場合の,「無償」つまり,追加費用は生じず,既に払った対価で支払いはあったとみなされるということを表すために,このpaid-upという用語が使われることがあります。

 

 他にも,無償であるということを表す用語としては,free of chargeやwithout chargeなどがありますが,これらの表現は,対価の支払いなくというニュアンスになります。

 

 反対に,paid-upという表現を使うと,無償というよりは,もともとの研究開発委託費用の中に,成果物に組み入れられた受託者の知的財産権の使用料も含まれており,それは既に支払われているという意味で使われます。

 

 受託者の知的財産権の使用料が発生しているがそれはすでに全部支払われているという意味なのか,そもそも使用料は発生しないと表現するかの違いが一応あります。

 

 実質的には同じことですが,万一,契約が解除などされて,損害賠償の紛争などになった場合,有償だけど支払ったという場合と,そもそも無償であったという場合とで賠償額が異なるということも理論上はあるかもしれません。

 

 ただ,普通は,両者は実質的に同じことを言っていて,特に目立った違いはないかと思います。

 

この用語が自社の契約書に入っていて不安ですか?

契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。

契約書を添付して無料で相談する

英文契約書のリーガルチェックを依頼する

実際の納品物サンプル(修正履歴・コメント入り)を見る

料金表(PDF)をダウンロードする

弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,931件

執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

Estimate(英文契約書用語の弁護士による解説)

英文契約書のレビュー・英訳・和訳のご相談を受け付けています。契約書を添付して無料見積 →

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際に登場する英文契約書用語に,Estimateがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,もちろん,「見積もり」という意味でも使用されます。

 

 ただ,英文契約書の中では,「目安」というニュアンスで使われることがあり,その場合はより重要な意味を持っています。

 

 例えば,売買契約において,売主が買主に対して商品を引き渡す際に,通常は納期が定められます。

 

 買主としては,取引によっては転売先が予定されており,転売先からすでに発注を受けて,そちらの納期が決まっているということもよくあります。

 

 そのため,売主が納期までに商品を引き渡してくれないと,転売先に納めるのも遅れてしまう可能性があるため,納期は重要な意味を持っています。

 

 ところが,特に国際取引では,海上輸送や空輸で商品が輸送されるため,輸送期間が長いのと,貨物の船積み前の輸出国内での輸送手続き,税関手続き,貨物到着後の輸入国での輸送手続きなど,国内取引にはない手続きが介在したり,輸送のリスクが高くなっていたりします。

 

 そのため,売主としては,英文契約書に納期の定めがあったとしても,それを守れなかったからといって,納期遅延による損害賠償等の責任を負わされるのは避けたいと考えることもあるでしょう。

 

 そのような場合に,estimateという用語を使用して,英文契約書で売主の納期遅延の責任を回避しようとすることがあります。

 

 例えば,Seller does not guarantee the delivery date and only provides an estimate...(売主は引渡日を保証するものではなく,単に目安を提供するに過ぎない…)などとして使用されます。

 

 このようにして,もし売主が納期までに商品を引き渡せなくとも,遅延による責任を負うものではないことを明記しておく場合があります。これは,買主としては抵抗したい内容ということになります。

 

 もちろん,このような納期遅延についての免責条項が定められなくとも,もともと貿易条件上の引渡地が,EXWやFOBとなっていれば,国内取引と実質的には引渡しに関するリスクは異ならないということもあります。

 

 また,英文契約書では,通常,不可抗力の場合は免責と記載されるので,不可抗力によって売主が納期までに商品を引き渡せなくとも不可抗力免責の条項により責任を免れるということもあるでしょう。

 

 さらに,万一売主が納期遅延による責任を負うという場合でも,間接損害や結果損害は免責されるという内容が定められることも多いため,賠償の対象となる損害には転売差益などが含まれないこととなり,それほど多くならないこともあります。

 

 また,損害賠償責任を負うとしても一定の金額を上限とする旨の責任制限規定(Limitation of Liabilities)の条項がある場合も多いので,損害額は一定額までということになり,売主が負う責任範囲は限定的である場合もあるでしょう。

 

 賠償対象を直接損害のみにして,間接損害や結果損害などを免責にしているのに,なお責任制限がいるのかと思われるかもしれませんが,規定の仕方や英米法などの準拠法によっては,逸失利益(loss of profit)を直接損害に含めることが考えられるので,責任制限も入れておいた方が安全という場合もありえます。

 

 このように,estimateという用語が使われた場合,納期等を保証しないという文脈で使用されていることがあるので,重要な意味を有している場合があります。そのため,この用語を目にしたら,内容を慎重に検討する必要があるでしょう。

 

この用語が自社の契約書に入っていて不安ですか?

契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。

契約書を添付して無料で相談する

英文契約書のリーガルチェックを依頼する

実際の納品物サンプル(修正履歴・コメント入り)を見る

料金表(PDF)をダウンロードする

弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,931件

執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

Minutes(英文契約書用語の弁護士による解説)

英文契約書のレビュー・英訳・和訳のご相談を受け付けています。契約書を添付して無料見積 →

Minutesとは,英文契約書において「議事録」という意味で使用される用語です。

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Minutesがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「議事録」という意味で使用されます。

 

 英文契約書でよく使用されるというより,契約交渉過程などでもよくこの用語は登場します。

 

 英文契約書で記載されるとすれば,各当事者が当該取引を行う権限があることを表明保証する際に,会社の取締役会議事録などを提出するという義務を課すような場合に,このminutesが登場します。

 

 日本でいう取締役,代表取締役などが行えることというのは,各国の会社法のような法律で定められていることが多いです。

 

 そして,会社法や定款などにより,一定の重要な取引を会社が行う場合には,取締役会決議が必要とされている場合もあります。

 

 そのような場合の議事録(minutes)の提出が必要とされる場合があります。また,契約締結交渉や,残念ながら紛争になってしまった場合の交渉において,相手方当事者とミーティングをすることがあります。

 

 こうしたときにも,会議の都度議事録を作成することは重要です。最近は会議を録音しておくということもありますが,その場合でも議事録を残すことには一定の意味があります。

 

 議事録を作成し,相手方に送付し,了解を得ることで,どの議題についての結論がどの程度の法的効果を持ちうるのかがより明確になる場合があるからです。

 

 そもそも議事録がないと,言った,言ってないの水掛け論になってしまいますし,録音だけですと,「そういう意味で言ったのではない。」とか,「そこまでの意図はなかった。」などの言い訳を許すことになりかねません。

 

 そのため,きちんと事後的に書面にして,相手方の了解を得るようにすることで,上記のような不都合を生じることを回避できる場合があるのです。

 

 もうおわかりだと思いますが,議事録には上記のような機能がありますから,自社で議事録案を作ることを提案すべきでしょう。

 

 それによって,自社に有利といいますか,客観的に正しい内容を作成することができるようになります。

 

 もちろん,相手方が作った議事録でも,間違いや不正確な内容が含まれている場合は,修正をすればよいのですが,修正箇所が大量になるような場合,相手もそのまま受け入れるかという問題も生じます。

 

 契約書も同じですが,自社でドラフトするほうが一般的に有利になります。また,相手方もよく目を通さずに議事録の承認をするケースもありますので,自社がきちんと内容を把握し管理するという姿勢でいるためにも,自ら作成するほうが妥当でしょう。

 

この用語が自社の契約書に入っていて不安ですか?

契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。

契約書を添付して無料で相談する

英文契約書のリーガルチェックを依頼する

実際の納品物サンプル(修正履歴・コメント入り)を見る

料金表(PDF)をダウンロードする

弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,931件

執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

Cumulative(英文契約書用語の弁護士による解説)

英文契約書のレビュー・英訳・和訳のご相談を受け付けています。契約書を添付して無料見積 →

Cumulativeとは,英文契約書において「累積する/累積的な」という意味で使用される用語です。

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Cumulativeがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「累積する/累積的な」という意味で使用されます。

 

 もっとも,和訳した意味を聞いてもよく理解できないと思います。

 

 このcumulativeがよく使われるのは,当事者が契約違反をした場合,救済措置(Remedy)が定められているのが通常ですが,この救済措置が一つだけしか取れないのではなく,すべて認められるということを注意的に書くときです。

 

 例えば,当事者が契約違反をしたときに,契約の解除(Termination)という救済手段が契約書に記載されていたとしても,ほかにも損害賠償請求(Damages)という救済手段も追加して取りうるというときに,これらの救済措置はcumulativeであると表現します。

 

 言い換え表現としては,in addition to...が挙げられます。

 

 こちらも,Aに加えてBという意味なので,AかBのいずれか一つという択一的(トレードオフ)な関係ではないことを示しています。

 

 このように,cumulativeが英文契約書でよく登場する場面は,remedy(救済措置)について定めた条項の中です。

 

 例えば,当事者の一方が契約違反をした場合,相手方当事者は,本契約を解除することができるという解除規定(Termination Clause)が契約書に書かれていたとします。

 

 この解除権のことは,remedy(救済措置)と呼ぶことがあります。契約違反という問題が生じた場合に,契約違反をされた当事者が取りうる救済措置であるからです。

 

 上記の例の場合,当事者に契約違反があれば,相手方当事者は,remedy(救済措置)として,契約を解除する権利を有していることはわかっていますが,他の権利については記載されていません。

 

 そのため,契約を解除するという救済措置を選択すると,他のありうる選択肢,例えば,損害賠償請求などは選択できなくなるのかという疑問が生じます。

 

 このような疑問を払拭し,法律や契約で他にremedy(救済措置)があるのであれば,それらも認められる,つまり,解除権というremedy(救済措置)は排他的なものではなく,累積的なものだということを明らかにしたいときにこのcumulativeを使用することがあります。

 

 他にも,preclude(…を排除する)という英文契約書用語も,似たような場面で使用されることがあります。

 

 これは,通常,否定形で用いられ,例えば,The right to terminate this Agreement described in the preceding paragraph shall not preclude claims for damages.(前項に定める解除権の行使は,別途損害賠償の請求を妨げない。)という意味で使われることがあります。

 

 契約書において問題を生じたときに,remedy(救済措置)が何であるかということももちろん大切ですが,選択肢がいくつ与えられているのかも大切です。

 

 場合によって,契約を解除しても当事者は救済されないという場合や,損害賠償請求だけでは,損害が回復しきらない(秘密保持義務違反のようなケース)ということもあります。

 

 このようなときには,remedy(救済措置)が複数用意されていることが重要な意味を持つことがあります。

 

この用語が自社の契約書に入っていて不安ですか?

契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。

契約書を添付して無料で相談する

英文契約書のリーガルチェックを依頼する

実際の納品物サンプル(修正履歴・コメント入り)を見る

料金表(PDF)をダウンロードする

弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,931件

執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

Truth or accuracy(英文契約書用語の弁護士による解説)

英文契約書のレビュー・英訳・和訳のご相談を受け付けています。契約書を添付して無料見積 →

Truth or accuracyとは,英文契約書において「真実性または正確性」という意味で使用される用語です。

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際に登場する英文契約書用語に,Truth or accuracyがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「真実性または正確性」という意味で使用されます。

 

 この用語は,秘密保持契約書=Non-Disclosure Agreement (NDA)でよく使用されます。

 

 また,否定文で使用されることが多いです。

 

 秘密保持契約書では,当事者の一方または双方が相手方に秘密情報を開示することが予定されています。

 

 秘密情報を受け取る側は,その情報を使用して,将来予定されている正式契約に向けて研究や検討を行うということになります。

 

 情報を受け取る側としては,開示を受ける情報が真実かつ正確なものであってほしいでしょう。

 

 しかしながら,情報を開示する側からすると,開示した情報が真実でなかったり,正確でなかったりしたために,情報の受領当事者に損害が生じたような場合に損害賠償責任を生じるような事態は避けたいわけです。

 

 そのため,開示当事者は,開示する情報が真実かつ正確である(True and Accurate)ことについては,できる限りそうであるように努力はするが,保証するものではない,つまり,責任は負わないということにしたいという事情があります。

 

 こうした理由から,NDAでは,よく,Disclosing Party does not represent or warrant to Receiving Party the truth or accuracy of the Confidential Information...(開示当事者は,受領当事者に対し,秘密情報の真実性または正確性を表明し保証するものではない…)などと規定されるのです。

 

 こうなると,受領当事者からすると,開示される情報が虚偽であったり,不正確であったりしても,開示当事者に責任追及をできないことになります。

 

 確かに,受領当事者が不利益を受ける条項ではありますが,自社においても情報の真実性や正確性を検証できるということもありますので,このような規定が置かれることもやむを得ないところがあります。 

 

この用語が自社の契約書に入っていて不安ですか?

契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。

契約書を添付して無料で相談する

英文契約書のリーガルチェックを依頼する

実際の納品物サンプル(修正履歴・コメント入り)を見る

料金表(PDF)をダウンロードする

弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,931件

執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

Arm's length(英文契約書用語の弁護士による解説)

英文契約書のレビュー・英訳・和訳のご相談を受け付けています。契約書を添付して無料見積 →

Arm's lengthとは,英文契約書において「独立した対等な関係」という意味で使用される用語です。

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Arm's lengthがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「独立した対等な関係」という意味で使用されます。

 

 なぜそういう意味になるかを説明すると,arm's lengthを直訳すると「腕の長さ」となりますが,腕の長さを保った程度の距離=近づきすぎていないということのようです。

 

 当事者が契約関係に入る場合,その当事者間の関係性がどういうものであるのかが問題になることがあります。

 

 例えば,本人と代理人という関係性になるのか,使用者と被使用者という関係になるのか,ジョイントベンチャーという関係になるのかなどが問題になることがあります。

 

 当事者の関係性に,主と従,または,親会社と子会社というように主従関係や上下関係などが認められると,適用される法律が異なってきたり,税務に影響を与えたりすることがあります。

 

 そのため,取引に入る当事者同士は,自社と相手方がどのような関係性をもって取引に入るのかを事前に考えて取引することになります。

 

 そして,独立した当事者であり,対等な関係にあり,特に主たる当事者と従たる当事者という関係性などはないということを明確にするときに,このarm's lengthという英文契約用語を,英文契約書を作成,チェック(レビュー),修正する際に使用することがあります。

 

 もちろん,ただ単にこのarm's lengthという英文契約書用語を用いれば,当事者の関係が独立した対等な関係になるということではありません。

 

 あくまで,契約書に記載された具体的な内容から,当事者がどのような関係に立つのかが実質的に判断されることになります。

 

 例えば,企業と個人が業務委託契約(Service Agreement)を締結し,そこに,お互いが独立した対等な当事者(arm's length)であり,主従の関係性は一切ないなどと記載されていたとします。

 

 しかしながら,実際にその契約書の内容を見ると,企業側が細かく就業場所や就業時間,就業日数を指定し,常に企業側の指示に基づいて受託者である個人が作業をしなければならないと規定されていたとします。

 

 このような場合で,準拠法が日本法であったりすれば,形式的には委任契約(Service Agreement)の体裁をとっており,arm's lengthの関係にあると書かれてはいるが,実質的には,雇用契約(Employment Agreement)であり,主従の関係が存在するという判断がされることはありえます。

 

 この場合には,形式的な文言がどうであれ,実質的に雇用契約と判断されることとなり,雇用契約であることを前提とした各種労働法が適用される可能性が出てきます。

 

 そうなると,基本的に,労働者のほうが労働法によって保護されていますので,契約書(Service Agreement)に記載された内容が,労働法によって修正され,企業側に不利な内容に読み替えられる可能性があります。

 

 このように,当事者の関係性は,あくまで契約の実質的な内容によって決定されるのであり,arm's lengthのような文言を使用して,当事者が独立した対等な関係にあると契約書に記載したからそのとおりになるという性質のものではないことにも注意が必要です。

 

 また,arm's lengthは,そう頻出する英文契約書用語ではないですが,株式譲渡契約書(Stock Purchase Agreement)などでも見かけることがあります。

 

 株式譲渡契約書(Stock Purchase Agreement)などでは,株式の譲渡人が株式の譲受人に対し,株式を発行している対象会社が,会社や事業の現在の価値が適正に評価されており,これを毀損するような事実はないことを表明保証(Representation and Warranty)するというのが一般的です。

 

 株式の譲受人からすれば,対象会社の株式を適正価格で購入したつもりが,後でその価値を毀損するような事実が発覚して価値が相当に下がってしまえば,その価格での購入を取り消したいなどと考えるでしょうから,このような表明保証をするわけです。

 

 そして,表明保証に違反する事実が発覚すれば,譲受人は譲渡人に対して損害賠償請求等ができると契約書に定められるのです。

 

 この表明保証の中に「対象会社が当事者になっている契約の中に,対等でない(対象会社が非常に不利益を被る立場にある不平等な)契約・取引は存在しない」という内容が含まれていることがあります。

 

 もう少し噛み砕いて言うと,「親子会社関係など不平等な条件の契約はなくそれぞれ独立・対等の取引条件での契約しかない」ということを言っているのです。

 

 この「対等な(不平等でない)契約・取引」「独立・対等の関係」ということを表すのにarm's lengthという用語が使われることがあります。

 

 流して読んでいると一瞬意味を掴み取るのが難しい表現の一つかと思います。

 

 当然ですが,表明保証の内容は譲受人にとってはもちろんですが,表明保証違反があれば損害賠償などの責任を負うことになりますので,譲渡人にとっても重要です。

 

 また,譲受人としては,安易に表明保証に頼り,表明保証がされていれば違反があっても金銭的に解決できるから安心だと考えるのではなく,きちんと購入前にデュー・デリジェンス(DD)をしなければならないことは言うまでもありません。

 

この条項が自社の契約書に入っていて不安ですか?

契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。

契約書を添付して無料で相談する

英文契約書のリーガルチェックを依頼する

実際の納品物サンプル(修正履歴・コメント入り)を見る

料金表(PDF)をダウンロードする

弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,931件

執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

Irrespective of the reason(英文契約書用語の弁護士による解説)

英文契約書のレビュー・英訳・和訳のご相談を受け付けています。契約書を添付して無料見積 →

Irrespective of the reasonとは,英文契約書において「理由にかかわらず」という意味で使用される用語です。

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際に登場する英文契約書用語に,Irrespective of the reasonがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「理由にかかわらず」という意味で使用されます。

 

 このIrrespective of the reasonは,否定文でよく使用されます。

 

 例えば,Licensor will not refund any royalties received from Licensee irrespective of the reason.(ライセンサーは,ライセンシーから受領したロイヤリティを理由にかかわらず返金しない。)などとして,英文契約書では使用されます。

 

 一度受け取ったロイヤリティは,たとえ,ライセンサーが何らかの契約不履行をし,ライセンシーからライセンス契約を解除されたような場合でも,受け取ったロイヤリティは返さないという内容になります。

 

 こうした「理由にかかわらず」,「理由を問わず」というような表現は,非常に強い表現です。

 

 前述の例でいえば,ライセンサーに非が認められるような場合は,ロイヤリティの返金があってもよさそうなものです。

 

 そういう返金が認められても良さそうな場合であったとしても,一切返金しないという強い否定表現をしたいときに,このIrrespective of the reasonという表現を使用することがあります。

 

 もちろん,「一切返金しない」という意図で,Irrespective of the reasonという表現を使用して英文契約書を取り交わしたとしても,そのまま効力が生じるとは限りません。

 

 あまりにひどい理由があっても,絶対に返金が認められないということになると,ライセンサーに一方的に有利になってしまうので,裁判所が,ある程度返金を認める解釈を取るということはありえます。

 

 ただ,英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際には,Irrespective of the reasonのような一切を否定するような強い表現が登場した場合,注意したほうが良いでしょう。

 

この用語が自社の契約書に入っていて不安ですか?

契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。

契約書を添付して無料で相談する

英文契約書のリーガルチェックを依頼する

実際の納品物サンプル(修正履歴・コメント入り)を見る

料金表(PDF)をダウンロードする

弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,931件

執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

Settle, settlement(英文契約書用語の弁護士による解説)

英文契約書のレビュー・英訳・和訳のご相談を受け付けています。契約書を添付して無料見積 →

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Settle, settlementがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,「(紛争の)解決/和解」または「精算」という意味で使用されることが多いです。

 

 紛争を予防するために,予め契約書を作成するのですが,残念ながら,それでもトラブルや紛争というのは起こってしまうことがあります。

 

 そうなった際に,まず契約当事者がすべきは,話し合いです。

 

 決していきなり裁判などを考えてはいけません。

 

  裁判などは,時間も費用もかかりますし,結論は不透明です。

 

 また,判決に至るとなれば,相手も最後まで争って喧嘩状態が続いたということですから,判決の内容に素直に従わない可能性があります。

 

 さらに,勝ったとしても上訴される可能性もありますし,きちんと判決に従わないのであれば,外国で強制執行をするという極めてハードルの高い手続きも待っているということになりかねません。

 

 したがって,まずは,トラブルになったとしても,お互い冷静になれることは冷静になり,話し合いで解決することを目指すべきです。

 

 契約書にも,いきなり訴訟提起してはならず,まずは当事者が話し合いをして,一定期間に任意で解決できない場合にはじめて裁判を提起できるとされていることもあります。

 

 また,法律で似たような内容が定められていて,最初から訴訟を提起することはできないと法律で決まっていることもあります。

 

 このように,まずは話し合いで解決することが善しとされているのです。

 

 そもそも,当事者が合意の上でビジネスを開始してトラブルになった際に,安易に国の制度によってその紛争を解決するという発想は,あまり良いものではないかと思います。

 

 あくまで互いにメリットがあるからこそ,自分の意思で合意に至ったわけですから,紛争時にも他人の力(国の制度など)を借りずに,自主的に解決することを目指すべきでしょう。

 

 判決になるとすると,自分の意思で解決することをいわば放棄し,第三者に結論を委ねてしまうことになります。

 

 こうした態度は,経営者の方の感覚にも馴染みにくいのではないかと思います。

 

 そこで,自分の意思で決められる自主的紛争解決,和解を目指すことになります。

 

 こうした自主的な紛争解決,和解のことをsettlementと呼んでいます。

 

 前述したとおり,一定の期間当事者が話し合っても紛争を解決できない場合にはじめて訴訟などを提起できるという内容が定められている場合,If the dispute is not settled within the period...(もし当該紛争がその期間中に解決できなければ…)などとしてsettleという用語が使われます。

 

 また,もう一つの意味として,お金の精算や決済という意味でも使われます。

 

 お金の話が出てきていて,settle, settlementという用語が使われていれば,請求書を締める,決済する,清算するというような意味合いで使われていることが多いです。

 

 当然ですが,契約書でお金の話題が出ていれば,それは重要な内容です。

 

 いつ決済されるのか,支払われるのか,精算されるのかというのは重要な内容です。

 

 また,相殺については,英米など国の法律によっては単に当事者が「この売掛とこの買掛を相殺する」と訴訟外で意思表示しただけでは相殺ができないということがあります。

 

 そのため,一方的に相殺するという決済手段を取れないということもあるので,決済方法については,明確に契約書に記載しておくほうが良いでしょう。

 

 Settle, settlementは多義語ですが,英文契約書で使用される場合は,だいたい,前述した紛争の「解決/和解」という意味か,お金の「精算/決済」という意味で使用されると理解して良いでしょう。

 

この用語が自社の契約書に入っていて不安ですか?

契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。

契約書を添付して無料で相談する

英文契約書のリーガルチェックを依頼する

実際の納品物サンプル(修正履歴・コメント入り)を見る

料金表(PDF)をダウンロードする

弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,931件

執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

At any time(英文契約書用語の弁護士による解説)

英文契約書のレビュー・英訳・和訳のご相談を受け付けています。契約書を添付して無料見積 →

At any timeとは,英文契約書において「いつでも」という意味で使用される用語です。

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際に登場する英文契約書用語に,At any timeがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「いつでも」という意味で使用されます。

 

  よく見かけるのは,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)のような,ある程度の期間継続する契約の中途解約条項の中です。

 

 中途解約とは,契約期間中に,相手方に契約期間の途中で契約を解約することを通知して,途中で契約を終了させることを指します。

 

 英語では,termination without causeと呼んだりします。

 

 Terminationは契約の終了・解除という意味で,without causeは理由・原因なくという意味です。

 

 つまり,特に理由がなくとも,契約を終了させられる=中途解約条項ということになります。

 

 この中途解約は,中途解約することを相手方に通知して,即時に契約を終了させられるとなると,相手方に不利益が大きいです。

 

 例えば,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)において,サプライヤーが突然中途解約を通知し,直ちに契約が終了するとなると,販売店は抱えている在庫の問題がありますし,プロモーションなどをどうすればよいのか,窮地に立たされます。

 

 そのため,通常は,終了までに一定期間の猶予をもって通知し,突然の解約は認めないと定めます。

 

 このように,中途解約の効果が,中途解約の通知と同時に即時に生じるとすると,相手方当事者には不意打ち的になり,不利益が大きいので,普通は即時の解約は認められていません。

 

 ただ,中途解約の通知自体は,契約期間中のいつでも出せるということが普通です。

 

 この,中途解約の通知を「いつでも」出せるというときに,at any timeがよく使用されます。

 

 例えば,Supplier may terminate this Agreement without cause at any time by giving written notice at least...(サプライヤーは,少なくとも…書面により通知することによって,理由がなくても,いつでも本契約を解約することができる)などとして使用されます。

 

 いつでも契約を解約できる中途解約条項は,かなり影響力があります。

 

 販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)のような継続的な契約では,ある程度の契約期間が設けられることが通常です。

 

 販売店からすれば,ある程度の期間ビジネスをさせてもらえないと,利益が出ず,販促コストなどの投下資本の回収ができないためです。

 

 そのため,最初は1年から5年くらいの契約期間が設けられ,その後は問題なければ更新していくと定められることが多いです。

 

 こうしたまとまった契約期間が定められているにもかかわらず,契約期間中にいつでも,理由なく契約を途中で解約できるという内容ですから,特に販売店には不利益が大きい場合があるわけです。

 

 そのため,継続的な契約の契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際に,この中途解約条項が挿入されている場合は,主にこれによって不利益を受ける当事者は,中途解約条項を受け入れるかどうかも含めて,慎重に検討する必要があります。

 

 理由なく解約できる中途解約条項ではなく,相手方に契約違反などの落ち度がある場合に契約を解除できるという条項は,termination with causeと呼ばれます。

 

 継続的契約では,理由のない中途解約条項ではなく,このtermination with causeのみで対応するようにするというのも一案です。

 

 ある程度の期間契約が継続しないと意味がないという場合は,せっかく英文契約書に設けた契約期間が意味がないということにならないように,中途解約条項の採用については慎重に検討したほうが良いことがあります。

 

 このように,at any timeという英文契約書用語は,重大な利害関係を持っている可能性があるので,この用語を含む条項には,注意をする必要があるといえます。

 

この用語が自社の契約書に入っていて不安ですか?

契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。

契約書を添付して無料で相談する

英文契約書のリーガルチェックを依頼する

実際の納品物サンプル(修正履歴・コメント入り)を見る

料金表(PDF)をダウンロードする

弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,931件

執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

Need to know(英文契約書用語の弁護士による解説)

英文契約書のレビュー・英訳・和訳のご相談を受け付けています。契約書を添付して無料見積 →

Need to knowとは,英文契約書において「知る必要がある」という意味で使用される用語です。

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Need to knowがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「知る必要がある」という意味で使用されます。

 

 このNeed to know(ニードトゥノウ)が最もよく使われる契約書は,秘密保持契約書(Non-Disclosure Agreement)(NDA)です。

 

 このNeed to know(ニードトゥノウ)という英文契約書用語が,NDAで使用されるときは,主に秘密情報を開示できる範囲を規定する場合です。

 

 企業が何らかのビジネスを共同で行うという場合に,その可能性を探るために,自社の秘密情報を相手方に開示して,交渉を行う際に締結されるのがNDAです。

 

 NDAでは,開示される情報の内容のうち,何が秘密情報に当たるのか,そして,その秘密情報をどのように管理しなければならず,どの範囲に開示して良いのかなどが取り決められます。

 

 この秘密情報を開示できる範囲を指定する際に,Need to know(ニードトゥノウ)という表現がよく使われます。

 

 企業が秘密情報を交換するときに,NDAを交わし,秘密保持義務を互いに課すわけですが,それでも,色々な理由で情報が漏洩することはありえます。

 

 あくまで,契約書は約束にすぎず,わざとなのかうっかりなのかはさておき,約束を破る人というのは残念ながら存在します。

 

 そのため,当然ですが,契約したから大丈夫,誓約させたから大丈夫というわけではないのです。

 

 ということは,約束に頼るのではなく,やはり,客観的に見て秘密情報の漏洩の可能性が低いという状態を作り出すほうが,秘密情報の漏洩を防ぐには効果的です。

 

 この秘密情報の漏洩の可能性を物理的に狭めるという手法の一つが,Need to know,つまり,その秘密情報を真に知る必要がある人だけが秘密情報にアクセスできるというように,そもそも秘密情報に触れられる人をできるだけ限定するというものです。

 

 例えば,社内のイントラネットで,社員全員が情報にアクセスできるようになっている場合と,その情報を具体的に使用して交渉する必要がある限られた社員のみ紙上の情報にアクセスできるという場合では,自ずと秘密情報の漏洩可能性が異なってきます。

 

 そのため,単に秘密保持契約書(NDA)で秘密保持義務を課すというだけではなく,そもそも秘密情報へのアクセス権者を限定して,物理的に情報漏えいの可能性をできるだけ低くするということも大切なのです。

 

 もっとも,誰がNeed to know(ニードトゥノウ)なのかは,客観的に明らかな判断基準があるわけではありませんので,この規定を入れたからといって,100%安全だというようなことはありません。

 

 具体的にどの部署のどのポジションにいる人間しか秘密情報を共有できないなど,より具体的に秘密情報へのアクセス権者を限定するほうが安全性は増すでしょう。

 

 秘密保持契約書に限りませんが,契約書を締結する際は,約束させたのだから大丈夫という考えではなく,約束しても破る人はいるのだから,約束を破る人であったとしても,安全である体制はどういうものだろうかという視点を持つことも大切です。

 

 秘密保持契約書を締結しても,約束を破られ,開示した情報が外部に流出したり,相手方が自己の利益に不正使用したりしたとしても,大丈夫な状態,例えば,ブラックボックスになった情報が別にあり,流出・不正使用された情報だけでは,自社のノウハウは完結しないなどという状態があれば,強いわけです。

 

 契約書に頼り切るのではなく,物理的にリスクを低減しておくということは,非常に重要なので,どのような場合でも常に意識しておく必要があります。

 

この用語が自社の契約書に入っていて不安ですか?

契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。

契約書を添付して無料で相談する

英文契約書のリーガルチェックを依頼する

実際の納品物サンプル(修正履歴・コメント入り)を見る

料金表(PDF)をダウンロードする

弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,931件

執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

Collectively(英文契約書用語の弁護士による解説)

英文契約書のレビュー・英訳・和訳のご相談を受け付けています。契約書を添付して無料見積 →

Collectivelyとは,英文契約書において「総称して」という意味で使用される用語です。

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Collectivelyがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「総称して」という意味で使用されます。

 

 英文契約書では,定義条項(Definition Clause)が設けられることが多いです。

 

 このcollectivelyは,英文契約書の定義の条項でよく登場します。

 

 なぜ,契約書において用語を定義するかというと,複数回登場する概念を常に同じ意味で使用したい,登場するたびに用語の意味を説明をしていると文章が長くなって理解が難しくなるので,表現を簡易にしたいなどという要請があるからです。

 

 契約書において,定義は重要です。英文契約書では,定義された用語は,最初の頭文字を大文字にしたり,用語全体を大文字にしたりします。

 

 一度定義をしたら,同じ意味を表す場合は,同じ用語を統一的に使用します。

 

 これにより何度も説明する必要がなくなりますし,定義された用語を使用していれば,その定義どおりの意味になりますので,意味を誤解したりする危険も少なくなります。

 

 定義する場合は,"XX" means...という方法もありますし,条文を普通に書いていて,途中で,日本語でいうところの(以下「XX」という。)というように,(hereinafter referred to as "XX")などと定義づけることもあります。

 

 後者の方法で英文契約書で用語を定義するときに,collectivelyがよく使われます。

 

 これは,併せて総称する場合には,"XX"と表記しますという文脈で登場します。

 

 例えば,売主はSellerと呼び,買主はBuyerと呼び,各当事者はPartyと呼び,両者を「総称して」Partiesと呼びますというような表現をする際に,collectivelyを使用します。

 

 対義語は,individuallyとなります。Individuallyに呼ぶ場合は,Partyと単数になり,collectivelyに表記する時は,Partiesとなりますと使うわけです。

 

 なお,一度定義した用語は,必ず同じ表記で統一的に使用することが大切です。

 

 定義した用語が,大文字で登場したり,小文字で登場したりすると,小文字にしたときは意味が異なるのかという疑問を生じるおそれがあるからです。

 

 もちろん,例えば,Partyというのが契約当事者のことを定義したもので,契約書において第三者を,third partyと表記するのは問題ないです。

 

 なぜなら,契約の当事者ではない第三者を表記しているので,定義が当たらないからです。

 

 これを,third Partyとするのは,定義された用語は,契約当事者ですから,おかしいということになります。

 

 問題なのは,定義された用語と同じ意味を表したいのに,定義された表記と異なる表記をしてしまう場合です。

 

 ただ,定義された用語を大文字で統一的に使用していない契約書というのは結構な確率で見ます。

 

 ドラフトしている過程でつい忘れてしまうということなのでしょう。自分は意味がわかって書いているので,気づかないでそのまま大文字と小文字が混ざってしまうということなのだと思います。

 

 通常は,これで大きな誤解につながって,大きな問題を生じるということはないとは思いますが,できれば統一的に使用したほうが良いでしょう。

 

 なお,大文字を小文字にうっかりしてしまったという場合は,文脈から正しく理解してもらえることが多いとは思いますが,つい定義した用語と異なる用語を使ってしまったとなると,問題を生じる可能性が高くなってしまいます。

 

 例えば,"Client" means...として,Clientという用語を定義していたのに,つい契約書を書いていく過程で,頭の中で,customerと表記してしまったというような場合です。

 

 こうなると,customerは別の単語ですので,Clientとは別の意味で使用している,別の用語だと主張され,何らかのトラブルに発展する可能性が高くなります。

 

 このようなことがないように,一度定義された用語は,統一的に使用することを心がけると良いでしょう。

 

 ワードの検索機能などを使って,別の単語で書いてしまっていないか,大文字で統一されているかなどをチェックするのも良いでしょう。

 

この用語が自社の契約書に入っていて不安ですか?

契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。

契約書を添付して無料で相談する

英文契約書のリーガルチェックを依頼する

実際の納品物サンプル(修正履歴・コメント入り)を見る

料金表(PDF)をダウンロードする

弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,931件

執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

By...(英文契約書用語の弁護士による解説)

英文契約書のレビュー・英訳・和訳のご相談を受け付けています。契約書を添付して無料見積 →

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,By...があります。

 

 これは,英文契約書において,様々な意味で使用されますが,期日を表す意味で使用された場合は,「…までに」という意味で使用されます。

 

 期日を表す表現としてby...が使用された場合,...の部分には日付が記載されます。例えば,「3月31日(31 March)までに」などと英文契約書では表記されます。

 

 では,上記の例の場合に,3月31日当日は含まれるのでしょうか。

 

 例えば,売主が買主に対して商品を3月31日までに引き渡さなければならないとされていた場合に,売主が3月31日ぎりぎりに納品した場合,売主は契約違反をしたことになるのかということで,by...の日付に当日が含まれるのかどうかが問題になります。

 

 一般に,by...の日付は,当日を含むと解釈されています。

 

 そのため,上記の事例では,売主は納期までに買主に対して商品を引き渡していることになりますので,契約違反にはならないということになります。

 

 これに対して,before...という表現を英文契約書で使用した場合は,...の日付の当日は含まれないことになります。

 

 そのため,上記事例では,今度は,売主は納期遅延をしたことになり,契約に違反したということになります。

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際に,期日を表す表現は大切です。

 

 期日までに行動しなければ,契約違反で損害賠償債務を負ったり,権利を喪失してしまったりという重大な不利益を受けるおそれがあります。

 

 そのため,期日を表すby...やbefore...,within...などの英文契約書用語が登場した場合は,その内容を精査することが大切です。

 

 なお,by...と同じ内容をbefore...を使用して表現する場合は,on or before...という表現を使用すれば良いことになります。

 

 On...の場合,...の日付の当日を意味しますので,これとbeforeを組み合わせることにより,by...と同様に当日を含んだ表現にすることができます。

 

 したがって,on or before...とした場合も,上記の事例では,売主は期日までに商品を引き渡していることになりますので,契約違反にはならないということになります。

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際に,by...やbefore...という表現を使用すると,「あれ,当日を含むんだっけ?」といちいち調べ直すということになりがちです。

 

 そのため,英文契約書において期日を表現したいときは,読んですぐに意味がわかる,on or before...という表現に統一するなどの工夫をしておくと時間を浪費せずに済むかもしれません。

 

 英文契約書で最も大切なのは,当事者が合意した内容を漏らさず,確実に記載することです。

 

 そのためには,最もストレートに意味が伝わり,相手方も誤解しにくい表現を選択し,同じ意味を表したいなら愚直に同じ表現を繰り返し使用するということは正しい姿勢です。

 

 英文契約書は,小説ではありませんので,美しい表現は不要です。

 

 英語表現は,繰り返しを嫌うなどと学校で習ったかもしれません。

 

 ただ,ここで扱っているのは契約書です。

 

 英語表現としての自然さや美しさ,流暢さよりも,誤解を与えない,複数の解釈の余地を残さない,正確であるということのほうが価値が高いです。

 

 この点は,英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際に常に意識しておくべきポイントになります。

 

この用語が自社の契約書に入っていて不安ですか?

契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。

契約書を添付して無料で相談する

英文契約書のリーガルチェックを依頼する

実際の納品物サンプル(修正履歴・コメント入り)を見る

料金表(PDF)をダウンロードする

弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,931件

執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

Substantive law(英文契約書用語の弁護士による解説)

英文契約書のレビュー・英訳・和訳のご相談を受け付けています。契約書を添付して無料見積 →

Substantive lawとは,英文契約書において「実体法」という意味で使用される用語です。

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Substantive lawがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「実体法」という意味で使用されます。

 

 Substantive law(実体法)というのは,日本法でいうと,民法や商法などの法律のことです。

 

 権利義務の内容や発生要件,消滅や変更に関するルールが定められています。

 

 対義語は,Procedural law(手続法)となります。

 

 これは,まさに手続きに関する法律のことで,日本法でいえば,民事訴訟法や刑事訴訟法が該当します。

 

 英文契約書では,準拠法(Governing Law/Applicable Law/Choice of Law)を選択して明記することがありますが,ここでいう準拠法というのは,通常,Substantive law(実体法)のことを指しています。

 

 Procedural law(手続法)のほうは,例えば,Jurisdiction(裁判管轄)を日本と選択していれば,自動的に,日本の裁判所は民事訴訟法にしたがって訴訟を指揮・運営するので,日本の民事訴訟法というProcedural law(手続法)が選択されることになります。

 

 Procedural law(手続法)は,あくまで,裁判の進行などについて定めた法律なので,日本の裁判所であれば,日本の民事訴訟法にしたがって裁判が進行することになるからです。

 

 そのため,例えば,日本の裁判所において準拠法を英国法で裁判をするということは理論上成り立ちます。

 

 しかしながら,日本の裁判所において,準拠法を日本法にして,英国の民事訴訟法にしたがって裁判をするというのは不可能ということになるわけです。

 

 このように,Substantive law(実体法)とProcedural law(手続法)というものは,まったく別次元のルールを定めた法律であるということを理解しておく必要があります。

 

この用語が自社の契約書に入っていて不安ですか?

契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。

契約書を添付して無料で相談する

英文契約書のリーガルチェックを依頼する

実際の納品物サンプル(修正履歴・コメント入り)を見る

料金表(PDF)をダウンロードする

弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,931件

執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

Notify(英文契約書用語の弁護士による解説)

英文契約書のレビュー・英訳・和訳のご相談を受け付けています。契約書を添付して無料見積 →

Notifyとは,英文契約書において「通知する」という意味で使用される用語です。

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際に登場する英文契約書用語に,Notifyがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「通知する」という意味で使用されます。

 

 類義語としては,informが挙げられます。

 

 海外企業と何らかの取引関係に入る場合,いろいろな場面で当事者間で書面やメールによって通知をするということになります。

 

 通知の種類もいろいろとあります。例を挙げましょう。

 

 販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)などでは,サプライヤーが,自社商品が第三者の知的財産権を侵害しないことを保証するということがあります。

 

 この場合,もし,サプライヤーの商品が他社の知的財産権を侵害しているとして販売店がクレームを受けたとき,サプライヤーの責任と費用負担にてクレーム対応をすると販売店契約書(Distribution/Distributorship Agreement)に定められていることがあります。

 

 そうすると,サプライヤーとしては,仮に第三者から,第三者の知的財産権を侵害しているというクレームが販売店に対して出された場合,そのクレームに対してサプライヤーが対処するということになります。

 

 そのため,サプライヤーとしては,クレームが大きくならないうちに,速やかに適切な対処をしたいと考えるでしょう。

 

 ところが,知的財産権を侵害されたとクレームをする第三者としては,外国サプライヤーではなく,自国内に存在している販売店にクレームを行うのが通常でしょう。

 

 そうすると,サプライヤーが第三者のクレームの事実と内容を知るのが遅れてしまうということになります。

 

 クレームの存在とその内容の認識が遅れれば,それだけクレームが大きくなり解決が難しくなるおそれもあります。

 

 そのため,サプライヤーとしてはこのようなクレームがあった場合,できるだけ速やかにその存在と内容を知りたいと考えるでしょう。

 

 このような観点から,販売店契約書(Distribution/Distributorship Agreement)では,商品について第三者から知的財産権を侵害するとのクレームが販売店になされた場合,販売店は速やかにサプライヤーに対し,クレームの事実とその内容を通知しなければならないと定めることがあります。

 

 Distributor shall promptly notify, in writing, Supplier thereof if...(販売店は...の場合,速やかにサプライヤーに書面でその旨を通知するものとする)などとして,notifyが使用されます。

 

 その他にも,英文契約書で重要な通知は,契約解除の通知が挙げられます。

 

 なお,このような通知の規定を設ける際には,通知をどのような方法で行うのかを定めることも大切です。

 

 ボイラープレート条項で,Notices(通知)というものがあり,この条項でまとめて定めることもありますし,各条項で定めることもあります。

 

 通常,in writingという表現を契約書ですると,書面による通知を意味し,電子メールは含まないということになると思います。

 

 ただ,海外取引では,物理的距離が遠く書面を郵送するとなると時間もかかりますし,郵送事故も起こりやすくなります。

 

 そのため,電子メールでも通知を有効にするということも実務ではよく行われています。

 

 その場合は,英文契約書における通知を電子メールでも可能とする旨を規定しておくのが無難です。

 

 通知の種類によって,通知方法を変えるということもあります。

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際に,通知をめぐる内容は重要ですので,notifyという用語が出てきたら,その内容と通知方法などをチェックする必要があります。

 

この用語が自社の契約書に入っていて不安ですか?

契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。

契約書を添付して無料で相談する

英文契約書のリーガルチェックを依頼する

実際の納品物サンプル(修正履歴・コメント入り)を見る

料金表(PDF)をダウンロードする

弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,931件

執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

Successively(英文契約書用語の弁護士による解説)

英文契約書のレビュー・英訳・和訳のご相談を受け付けています。契約書を添付して無料見積 →

Successivelyとは,英文契約書において「継続的に/引き続いて」という意味で使用される用語です。

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Successivelyがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「継続的に/引き続いて」という意味で使用されます。

 

 あまり見かけないですが,類義語としては,continuouslyが挙げられるかと思います。

 

 契約書では,一定の行為が何回予定されているのかということを明確に記載することが大切です。

 

 例えば,契約書に記載された金銭の支払いが一回限りなのか,それとも,複数回継続的に予定されているものなのかということが重要なのはすぐに理解できると思います。

 

 また,契約期間が定められている場合に,契約期間が満了しても,契約の更新が予定されている場合にも,更新が一回だけ予定されているのか,それとも複数回予定されているのかは,重要です。

 

 販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)などでは,特に販売店(Distributor)側としては,コストをかけて商品の販路開拓,広告宣伝をしていくわけですから,短期で契約が終了してしまっては,損益分岐点に到達せず,投下資本が回収できないという事態もありえます。

 

 そのため,販売店(Distributor)にとっては,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)の期間が長期間で定められているか,短期間である場合は,長期にわたる更新が予定されているかが重大な関心事になります。

 

 反対に,サプライヤー側からすれば,特に独占販売権を渡す独占販売店契約(Exclusive Distribution/Distributorship Agreement)の場合には,販売店(Distributor)の実績がなく,パフォーマンスが計れない中で,最初から長期間の契約をすることは,できれば避けたいところでしょう。

 

 そうすると,最初の契約期間は短くしておいて,販売店(Distributor)の実績次第では,契約を更新しても良いと考えるかもしれません。

 

 このような場合に,契約の更新が何回予定されているのかということが重要になってきます。

 

 契約の更新回数は,販売店(Distributor)からすれば,自社の投下資本を回収し,損益分岐点を超えて,継続的に利益を上げられるかどうかという問題ですので,前述したとおり当然の関心事です。

 

 サプライヤーからすると,最初から契約の終了時期を設定したいという場面はあまりないかもしれませんが,例えば,自社が何年後かにその地域で販売展開をすることが決定していて,それまで,この会社に独占販売店として売ってもらうというような場合には,最長何回までの更新と定めたいということがあるかもしれません。

 

 このように,契約の更新一つとっても,一回限りを予定しているのか,それとも,複数回なのか,複数回だとして,無制限なのか回数制限があるのか,などは重要なテーマです。

 

 この契約期間および契約の更新条項に,successivelyという用語があれば,「その後も引き続き」という連続性を表すので,更新は一回限りということではなく,複数回予定されていることがわかります。

 

 そして,英文契約書に更新の回数や契約の絶対的な終了時期については言及がなければ,通常は,無制限に更新が繰り返されるということになるかと思います。

 

 ただ,普通は,当事者の一方が相手方に対して更新をしない旨を通知しない限りはというような条件がついています。

 

 そのため,上記のような更新拒絶の通知がなされない限りは,契約は無制限に更新されるということになることが多いと思います。

 

 もし,最大何回までの更新,最長いつまでの契約期間としたいということであれば,契約の更新回数や契約期間の絶対的な満了日を,英文契約書に明確に記載することになります。

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際には,こうした回数が重要な条項というものがありますので,何回予定されているのかが一義的に明らかになっているか十分に確認する必要があります。

 

この用語が自社の契約書に入っていて不安ですか?

契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。

契約書を添付して無料で相談する

英文契約書のリーガルチェックを依頼する

実際の納品物サンプル(修正履歴・コメント入り)を見る

料金表(PDF)をダウンロードする

弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,931件

執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

Compensation(英文契約書用語の弁護士による解説)

英文契約書のレビュー・英訳・和訳のご相談を受け付けています。契約書を添付して無料見積 →

Compensationとは,英文契約書において「補償・賠償」という意味で使用される用語です。

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際に登場する英文契約書用語に,Compensationがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「補償・賠償」という意味で使用されます。

 

 何らかの価値が減った,つまり,損害となったものを穴埋めして補填するというような意味合いでこのcompensationは使われます。

 

 動詞はcompensateです。これは,「補償する・賠償する」という意味で英文契約書で使用されます。

 

 ただ,英文契約書では,補償・賠償という意味で使う用語は,このcompensateやcompensationという用語より,indemnify・indemnificationという用語を使うほうが多いかと思います。

 

 英文契約書では,契約書の目的を達成するために生じる責任の負担について予め取り決めるということがよくあります。

 

 その際に,相手方の行為によって自社が損害を蒙るということがあった場合,その損失に関する責任は相手方に負担させるという意味合いで,indemnify・indemnificationという用語が英文契約書ではよく使われます。

 

 Compensate・compensationという用語は,責任がないという免責条項でよく見られます。

 

 例えば,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)などの長期的な契約では,販売店(Distributor)が,サプライヤーの商品を販売展開するために,販促活動や広告宣伝活動などに資金と努力を投下します。

 

 これによって,販売店(Distributor)は,商品のブランド力や販路など目に見えない価値(暖簾代)を資産として獲得していくことになります。

 

 この目に見えない価値を,英文契約書では,Goodwillと呼んだりします。

 

 ところが,サプライヤーが,今度は現地法人を作って,現法で商品を販売展開していきたいとして,長年続いていた販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)を,解約したとします。

 

 そうすると,販売店(Distributor)としては,これまで投下した資本や時間で獲得した資産が水泡に帰することになってしまいます。

 

 販売店(Distributor)は,これについての損失を補填してほしいと考えることがあります。

 

 こうした補償のことを,英文契約書では,compensation for goodwillと呼んだりします。

 

 サプライヤーとしては,このような補償をするとなると,事実上,契約を終了させることができないのと同じような結果になりますし,補償額も多額になる可能性があるので,通常,このような補償を受け入れることは難しいでしょう。

 

 そのため,販売店契約書(Distribution/Distributorship Agreement)では,このcompensation for goodwillについては,サプライヤーは免責されるという免責条項を入れることが多いです。

 

 この場面で,compensate・compensationという英文契約書用語が使われることがあります。

 

 ただし,中東の一部の国などの法律では,このようなcompensation for goodwillの免責を認めていないことがあります。

 

 このような国の法律が強制的に適用されると,英文契約書でcompensation for goodwillについては免責されると定めていても,無効になってしまいます。

 

 また,このような国の法律により,サプライヤーが補償金の支払いを強制される場合,補償金額も数年分の利益などとされるケースもあり,多額に上る可能性がありますので,注意する必要があります。

 

この用語が自社の契約書に入っていて不安ですか?

契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。

契約書を添付して無料で相談する

英文契約書のリーガルチェックを依頼する

実際の納品物サンプル(修正履歴・コメント入り)を見る

料金表(PDF)をダウンロードする

弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,931件

執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

Commence(英文契約書用語の弁護士による解説)

英文契約書のレビュー・英訳・和訳のご相談を受け付けています。契約書を添付して無料見積 →

Commenceとは,英文契約書において「開始する」という意味で使用される用語です。

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際によく登場する英文契約書用語に,Commenceがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「開始する」という意味で使用されます。

 

 何らかの手続を開始するとか,交渉を開始するとか,そうした内容を英文契約書に定める際には,このcommenceという用語がよく使用されます。

 

 Commenceという用語を使用する際の注意点としては,この用語はあくまで「開始する」ということを述べているに過ぎないので,開始した後にどのようになるのか,どのようにすべきなのかについてもきちんと考えておかないといけません。

 

 例えば,販売店契約書(Distribution/Distributorship Agreement)で,販売店がいつまでに販売店としての登録手続きを開始しなければならないと英文契約書で定めたとします。

 

 Distributor shall commence the procedure of...などとしてcommenceが登場することになります。

 

 この内容は,あくまで,販売店としての登録手続きを開始するということしか義務付けられていません。

 

 そのため,手続きを開始しさえすれば,登録ができるかどうかは関係ないですし,登録手続きをいつまでに完了するかも関係ないということになります。

 

 したがって,登録の成果によって何か取扱いを変えるのであれば,そのことも契約書に記載する必要があります。

 

 また,登録手続きをいつまでに終えなければならないという事情もあるのであれば,そのことも契約書に記載しなければなりません。

 

 もう一つcommenceをよく使用する例を挙げると,当事者間で紛争が生じた場合の交渉の方法について英文契約書で規定する場合です。

 

 例えば,最初は,不満のある当事者が他方当事者に書面で通知し,他方当事者が通知を受領してから〇〇日以内に取締役同士が交渉を「開始する」というような内容で,commenceが使われます。

 

 この場合も,前記の例と同様に,交渉を開始しなければならないとだけ契約書に記載していると,交渉を開始すればよいのであって,誠実に交渉しなければならないとか,何回話し合いの機会を持たないといけないとか,いつまで交渉期間を設けなければならないとかについては,いずれも触れられていないということになります。

 

 そうなると,クレームの通知を受けた相手方としては,交渉の場に一度ついて,すぐに交渉を決裂させても何ら問題はなく,契約書違反にならないという解釈ができる可能性があります。

 

 これを避けるためには,交渉を開始した後に,誠実に交渉をする義務(Good Faith)を規定し,交渉期間も設定し,交渉期間が終了すれば,その後のステージ(代表者同士の交渉や法的手続き)に移行することを契約書で規定する必要があります。

 

 このように,commenceというのは,開始するということしか意味しないことになりますので,その後のことを契約書に規定することを忘れてしまうと,あとで大きな問題になる可能性があります。

 

 開始があれば,終了があるはずで,開始した後にどこで着地させるのか,いつまでにどう着地させるのかということも併せて考えておく必要があります。

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際には,一定の行為を開始しただけで,要件を満たしてしまい,契約違反とはならないという主張がなされないよう,意識しておかなければなりません。

 

この用語が自社の契約書に入っていて不安ですか?

契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。

契約書を添付して無料で相談する

英文契約書のリーガルチェックを依頼する

実際の納品物サンプル(修正履歴・コメント入り)を見る

料金表(PDF)をダウンロードする

弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,931件

執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

Goods(英文契約書用語の弁護士による解説)

英文契約書のレビュー・英訳・和訳のご相談を受け付けています。契約書を添付して無料見積 →

Goodsとは,英文契約書において「商品」という意味で使用される用語です。

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Goodsがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「商品」という意味で使用されます。

 

 目に見えないサービスや権利などは含まず,目に見える商品を指します。

 

 同義語には,productsがあります。英文契約書で使用される用語としては,productsのほうが使用頻度が高いと思います。

 

 販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement),売買契約(Sales Agreement)や製造委託契約(Manufacturing and Supply Agreement)などで,このgoodsという用語が使用されます。

 

 当然ですが,goods(商品)は,契約の目的物そのものである場合が多いので,goodsに関する契約条項は非常に重要です。

 

 例えば,goodsの品質,納期,危険性などについては,事前に十分に検証し,これらに関連して生じうるトラブルを予め予測して英文契約書で規定しておかなければなりません。

 

 品質であれば,メーカーは,どのレベルで品質保証をするのか,保証期間はいつまでにするのかなどを交渉し,契約書に記載します。

 

 また,納期は,特に海外取引では,メーカーとしては納期の保証をすることが難しいということもありますので,リードタイムや納期をどうするのか,納期遅延の場合の責任はどうするのかについても十分に審査し,契約書に定めます。

 

 さらに,商品の危険性についても考えておく必要があります。

 

 その商品に何らかの欠陥があった場合,人の生命や身体に危険が及ぶという性質を持っている商品だとすると,メーカーが製造物責任法(PL法)上の責任を負う危険性が高まります。

 

 例えば,医療機器,自動車などの乗り物の部品,電化製品,玩具などがこれに該当します。

 

 こうした製造物責任については,通常,法律で定められており,メーカーが最終的な責任を回避するのは難しいですが,リコールなどに備えて,顧客からクレームが来た場合の対処方法などについて,契約書で規定します。

 

 また,契約当事者間で,製造物責任が生じた場合に,どちらの当事者がどのような責任を負担するのかという取り決めをすることもあります。

 

 なお,goodsの売買を行う場合は,ウィーン売買条約(UN Convention on Contracts for the International Sale of Goods)(CISG)という条約が適用されることがありますので,この点にも注意が必要です。

 

 日本もCISGの加盟国ですので,海外取引でgoodsを売買する場合は,このCISGをどうするかについて検討し,契約書で定めておく必要があります。

 

 CISGは,契約書で定めておけば,適用も排除できます。知らずにCISGが適用されることになっていたということがないように注意する必要があります。

 

 CISGについてはこちらの記事で解説しています。

 

 このように,goodsはまさに契約の目的そのものであることが多いですから,goodsを巡って様々な問題を生じえます。

 

 Goodsに関してどのような問題が将来起こりうるかを想像して,契約書で事前に手当しておくことが大切です。

 

この用語が自社の契約書に入っていて不安ですか?

契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。

契約書を添付して無料で相談する

英文契約書のリーガルチェックを依頼する

実際の納品物サンプル(修正履歴・コメント入り)を見る

料金表(PDF)をダウンロードする

弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,931件

執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

お問合せ・ご相談はこちら(無料)

 まずはお気軽にご相談・見積依頼をどうぞ(守秘義務により秘密厳守)

正式ご依頼まで料金不要/当日または翌営業日中に見積回答

 お問合せフォーム・メールがスムーズです

✉ お問い合わせはこちら(見積無料)

問合せフォーム24時間受付中

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
03-6453-6337

担当:弁護士 菊地正登(キクチマサト)

受付時間:9:00~18:00
定休日:土日祝日

※契約書を添付して頂ければ見積回答致します
受付時間:24時間

 英文契約書の作成・翻訳・リーガルチェック(全国対応),累計相談実績2,931件の弁護士菊地正登です。弁護士歴23年(国際企業法務歴17年),約3年間の英国留学・ロンドンの法律事務所での勤務経験があります。英文契約・国際取引を中心に取り扱い,高品質で迅速対応しています。お気軽にお問合せ下さい。

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ

03-6453-6337

<受付時間>
9:00~18:00
※土日祝日は除く

弁 護 士 情 報

弁護士  菊  地  正  登
片山法律会計事務所

東京都港区芝5-26-20
建築会館4F
tel: 03-6453-6337
email: kikuchi@mkikuchi-law.com

片山法律会計事務所

住所

〒108-0014
東京都港区芝5-26-20
建築会館4F

アクセス

都営三田線・浅草線三田駅またはJR田町駅から徒歩約3分です

受付時間

9:00~18:00

定休日

土日祝日

 弁護士インタビュー動画

書  籍

士業・翻訳業者・保険会社・金融機関の方へ

各士業の先生方,翻訳業者,保険会社,金融機関のお客様の英文契約書に関する案件についてお手伝いさせて頂いております。

ご紹介頂いたお客様の初回相談料は無料ですので,お気軽にお問合せ下さい。

ご相談方法

メール・電話・Web会議による対応を行っております。

サイト内検索 - 英文契約書用語の検索ができます -