英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語の解説,今回はAboveです。

 

 Aboveは日常の英語表現でもよく使われるので,意味はご存知だと思います。「~の上に」などという意味でよく登場します。

 

 では,英文契約書においてabove 100という表現が登場した場合,100は含まれるでしょうか,それとも含まれないでしょうか。

 

 答えは「含まれない」です。同様の表現としてはmore than 100,over 100が挙げられます。

 

 逆に100を含めたい場合は,100 or more,100 or above, 100 or overなどと表現します。

 

 和文契約書でも100を含まないという認識なのに「100以上」と表現していたりすることがあります。本来は「100超」としなければなりません。

 

 逆に「100未満」と100を含まない表現をしたい場合は,less than 100,below 100,under 100となります。

 

 また,100を含めて「100以下」としたいなら,以上の場合と同様に,100 or less,100 or below,100 or underとするのが一般的です。

 

 基本的なことですが,数字の表現は金額なども含むので,言うまでもなく非常に大事です。

 

 間違った使い方をしないようにしましょう。

 

Expedite(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際によく登場する英文契約書用語に,Expediteがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「…を迅速に処理する」という意味で使用されます。

 

 例えば,expedite an order「注文を迅速に処理する」という意味になります。

 

 やや固い文語的表現で,それほど頻出するわけではないですが,「迅速に」というニュアンスを含ませたいときは便利な用語の一つです。

 

 もっとも,「迅速に」などの表現は程度問題ですので,どの程度の幅があるのかはケースバイケースになってしまいます。

 

 そのため,売買契約などで注文の処理について定める場合は,「売主が買主から注文書を受領してからX日以内に受注書を発行しなければならない」などと,具体的に期間を記載することが一般的です。

 

 さらに,「仮に売主が上記期間中に受注書を買主に対して発行しなければ,売主が注文を受注したとみなす」と書かれているケースも多いです。

 

 この場合,売主は注文を拒否するつもりが失念していて一定期間を経過したなどという場合,自動的に受注したことになりますので,注意が必要です。

 

 「迅速に」という意味を表す表現としては,他にpromptlyが挙げられます。

 

 他にも,こうした迅速さについて表す用語としては,immediately(直ちに)without delay(遅滞なく)などが挙げられます。

 

 ただし,前述したとおり,もし一定の期間内に相手方の行為がなされることを期待していて,もしそれが期間内になされなければ何らかのペナルティを課したいと考えている場合は,上記のような表現ではなく,具体的な期日や期間を記載するほうが良いかと思います。

 

Tenure(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Tenureがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「在職(期間)」という意味で使用されます。

 

 例えば,退職時の合意書や誓約書で,退職する従業員や役員が,会社に在籍していた期間中に知り得た秘密情報を,退職後に第三者に開示したり,自ら利用したりしないということを約束することがあります。

 

 この際の「在職中」ということを表す用語として,tenureという用語を使用することがあります。

 

 最近は,転職が盛んになっているので,従業員などが会社を退職した後に,その会社で得た情報を不正利用したりするケースも増えています。

 

 このようなことを防止するために,退職時に合意書や誓約書を取り付けるケースも増えています。

 

 ただ,合意書や誓約書で約束を取り付けても,破る人は破るので,そもそも雇う時点でこのようなことをする人物を雇わないですとか,むやみに従業員に機密情報にアクセスさせないですとか,根本的な対策のほうが重要であることも事実です。

 

 在職中に知りうる秘密情報が少なければ,それだけ会社の秘密情報が不正利用されたり,漏洩されたりするリスクが減るということになります。

 

 現実には難しい面があるとは思いますが,なるべく秘密情報へのアクセスは制限して,信頼できる人間にしかアクセスさせず,その上で秘密情報の取扱いについて合意書や誓約書を取り付けるという考えが正しいでしょう。

 

 約束をしさえすれば安全だという考え方はあまりにナイーブですので,そのような考えを持たないように注意しましょう。

 

Tarnish(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Tarnishがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「(名誉や評判などを)汚す/傷つける」という意味で使用されます。

 

 例えば,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)などでは,サプライヤーが販売店(Distributor)に対し,自社の商標を使用することを許諾します。

 

 その際に,サプライヤーの商標やロゴが有するブランド価値を毀損されては困るため,そのような行為をしないことを誓約させるのが一般的です。

 

 この「商標やロゴの価値を毀損しない」という内容を記載するときに,「毀損する」という意味で使用されるのがtarnishです。

 

 当然ですが,商標やロゴが持っているブランド価値というのは非常に重要です。

 

 消費者は,商標やロゴを見るだけでその企業や製品とともに,そのイメージをを思い浮かべます

 

 そのため,商標やロゴを不適切な方法で使用されると,本来サプライヤーが持っているブランドイメージが変わってしまったり,ダメージを受けたりすることがあります。

 

 例えば,富裕層向けの高級なイメージで売っている商品のロゴを,親しみやすさを出そうなどという狙いでポップなデザインに変更してしまったりすれば,元の顧客層が離れてしまうおそれがあることは容易に想像できると思います。

 

 このようなことがないように,商標やロゴはサプライヤーが指定する方法でのみ使用が可能で,価値を損ねるような使用方法は用いることはできないと契約書に定められるのです。

 

Fall short of the amount(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際によく登場する英文契約書用語に,Fall short of the amountがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「当該金額に不足する」という意味で使用されます。 

 

 一定の金額が定めれられているときに,その金額に達しない場合の効果などを定めるときに,この表現が使われることがあります。

 

 例えば,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)の最低購入数量(Minimum Purchase Quantity/Amount)に届かないとか,ライセンス契約(License Agreement)の最低保証(Minimum Guarantee: MG)を達成できないなどの文脈で登場することがあります。

 

 最低購入数量(Minimum Purchase Quantity/Amount)やMGは,サプライヤーやライセンサーにとっては利益を確保するために重要な規定です。

 

 そのため,例えば最低購入する量を定めたミニマムの金額を達成できなければ,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)を解除したり,独占販売権を剥奪したりというペナルティを課すことが一般的です。

 

 MGに関しては,ライセンス商品の販売が芳しくなくとも,MGの金額分は保証されたロイヤリティとしてライセンシーはライセンサーに支払わなければならないなどと定められることになります。

 

 これらの金額は販売店(Distributor)やライセンシー(Licensee)にとっては,無理のない金額であるか,算出根拠に合理性があるかなどを検討する必要あります。

 

 販売店契約やライセンス契約でよく交渉が難航するテーマの一つですので,the amountの金額の妥当性はもとより,fall short of the amountの場合のペナルティについても妥当性を双方の立場でよく議論する必要があるでしょう。

 

Inure(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Inureがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「(法的に)効力を生じる」という意味で使用されます。

 

 あまり重要な語句とはいえないとは思うのですが,たまに英文契約書で見かける用語です。

 

 類義語としては,effective,enforceable,validなどが挙げられると思います。

 

 これらは,英文契約書では,いずれも実質的には「(法的に)有効である/強制力がある」という意味で使用されます。

 

 当然ですが,法的に強制力(裁判所が執行力を認めてくれる)を持った合意であるためには,適用される法律の要件を充たす必要があり,単に当事者がこの合意はinureであると記載すれば効力を生じるというものではありません。

 

 法律で禁止されているような内容について,当事者がこの合意は法的効力を有すると合意すれば有効になるのでは,法で禁じている意味がなくなりますから当然です。

 

 ただ,契約書の効力が生じる時期を記載する場合や,契約が終了しても効力が存続する条項がある場合など,契約書の効力があることをあえて契約書に記載する場面はあります。

 

 契約書の冒頭でも「この契約書は当事者のサインによって有効に発効する」などと書かれることが一般的です。

 

 契約の効力発生の条件,契約の効力が存続する期間などは,当事者の権利義務が生じるかどうかの根本問題に関わる内容ですので,非常に重要です。

 

 なので,契約書を審査するときは,契約書の効力発生の要件,時期,期間,契約終了後の効力などについては,必ずチェックするようにしましょう。

 

 Inureという用語自体が特別重要ということではないですが,契約の効力に関する内容は当然重要ですので,契約書の発効日や終了日,終了後の効力存続条件に関する内容は要注意といえます。

 

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際に登場する英文契約書用語の一つに,Enter into...があります。

 

 英文契約書で使用される場合,通常,「(契約)を締結する」という意味を表します。

 

 具体的には,enter into a contract/an Agreementとした場合,「契約を締結する」という意味になります。

 

 The paries enter into this Agreement which is in effect as of X(当事者は本契約を締結し,本契約はX日に効力を発する)などとして,英文契約書の冒頭部分によく登場します。

 

 類義語としては,concludeがあります。こちらも「(契約)を締結する」という意味で契約書で使用されることがあります。

 

 ただ,より一般的なのはenter intoのほうだと思います。

 

 なお,execute this Agreementという用語もenter intoとともによく登場しますが,こちらは「本契約書に署名する」という意味です。 

 

 その他,enterを伴った法律用語として良く使われるのは,enter into forceという表現で,これは「(法律や条約など)が発効する」という意味で使用されます。

 

 英文契約書を読む際に,冒頭部分のenter into this Agreementという表現は定型文句なので,特に意識していないと思いますが,たまに冒頭部分で契約を締結することを適切に表現できていない契約書をみかけます。

 

 冒頭部分で当事者がその契約書に記載した条件に法的に従う意思を表明した=契約を締結したということをきちんと表現していないと,あとでその文書の法的拘束力をめぐって紛争になるおそれがあります。

 

 そのため,定型性が高い冒頭部分といえども,きちんと内容に問題がないかチェックするようにしましょう。

 

 

 英文契約書によく登場する用語というわけではありませんが,Ratifyとは「(条約などを)批准する」という意味です。

 

 ちなみに,条約はTreatyConventionと表記されます。

 

 これに似た用語にRectifyがあります。

 

 こちらは,英文契約書によく登場する用語で,重要です。

 

 Rectifyのほうは,例えば,当事者が契約違反などをしたときに,その違反の状態を「是正する」という意味で契約書で使用されます。

 

 似ているので,特に英文契約書を自ら作成する際に混同して,rectifyを使うべきところをratifyとしないように注意して下さい。

 

 なお,話を元に戻して,条約の批准に関連した注意点を記すと,条約の批准方法は各国によって異なるので注意が必要です。

 

 国際取引では,各国の法律だけではなく,その上位に位置する条約の知識も必須です。

 

 国際取引に関連して知っておくべき著名な条約としては,ウィーン売買条約ニューヨーク条約などが挙げられます。

 

 ウィーン売買条約については,外国企業と物品の売買契約をする際には知っておかなければならない条約です。

 

 ウィーン売買条約についてはこちらの記事で解説していますので,ご覧下さい。

 

 ニューヨーク条約は,国際取引で必須の紛争解決手続である仲裁手続の仲裁判断の執行に関わる条約です。

 

 ニューヨーク条約についてはこちらの記事で解説していますので,ご覧下さい。

 

 国際取引をするには,当然ですが(例え準拠法が自国の法律となっていても)自国の法律を理解していれば足りるものではなく,条約や相手国の法律についても一定程度理解しておく必要があります。

 

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語の一つに,Subject to...があります。

 

 このsubject to...は,英文契約書では非常によく使われます。

 

 ただ,慣れないうちは意味を把握しにくい表現の一つかと思います。

 

 Subject to...は,英文契約書で使われる場合の意味をいくつか持っていますが,主として「…を条件として」という意味で使用されます。

 

 つまり,「subject to 以下が実現することが条件であり,その条件が成就しない限り,本文中の内容は効力を生じない」というような意味で使われます。

 

 または,「subject to 以下の制約の下で」というような意味で使用されることもあります。

 

 例えば,The Seller shall be entitled to damages subject to the following:(下記の条件に従って,売主は損害賠償請求をすることができる)などと使用されます。

 

 これは,言い換えれば「下記の条件に従わなければ損害賠償請求をすることはできない」ということを意味しています。

 

 Subject to...という表現をわかりやすく理解したい場合は,subject to...の...の部分に挿入される内容が,優先されるというように理解すると良いかと思います。

 

 それが条件であったり,「但し」という意味であったり,例外を表すような意味であったり,とにかく,subject to...の...の部分には優先的に扱われる事項が書かれていると考えると文章の意味を理解しやすいかと思います。

 

 このような意味で使用されるため,当然ですが,subject to...という用語が登場した場合,subject to...を含んだ文は要注意です。

 

 条項の本文に記載されている内容が問題なくとも,subject to...の後に記載されている内容が受け入れがたい内容であれば,subject to...の...部分に記載されている内容が優先される以上,受け入れがたい条項ということになります。

 

 なぜなら,結局subject to...に記載されている内容が実現できないのであれば,本文中にいくら自社に有利なことが書かれていても適用される余地がないということになってしまい,絵に描いた餅になるからです。

 

 したがって,subject to...を含んだ文章を削除したり,さらなる例外などを設けたりして,自社が受け入れられる内容に変更しなければなりません。

 

 Subject to...が出てきたら,その後に記載されている内容が優先されるので注意するということは覚えておくと良いでしょう。

 

 英文契約書では,同様の趣旨でon the proviso that…provided, however, that... (provided that...)という表現も使われます。

 

 On the proviso that…provided, however, that... (provided that...)rovided...という表現の解説記事はこちらで読めます。

 

 Subject to…が「…に従って」という意味の場合,類似の表現としては,as per…in accordance/compliance with...が挙げられます。

 

 これらも「…に従って」という意味で英文契約書に頻繁に登場します。

 

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 英文契約書の作成・翻訳・リーガルチェック(全国対応),実績多数の弁護士菊地正登です。弁護士歴23年(国際法務歴17年),約3年間の英国留学・ロンドンの法律事務所での勤務経験があります。英文契約・国際取引を中心に取り扱い,高品質で迅速対応しています。お気軽にお問合せ下さい。

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